プロ野球の一年間の楽しみ方を季節別に紹介【応援団目線あり】

おはようございます、元応援団員のハルカです。


プロ野球は、毎年だいたい同じようなスケジュールで動いています。

四季折々、野球にも季節感があり、日本の風情に溶け込んでいる気がします。


今回は、そんな野球の一年間の流れを確認してみたいと思います。

いつからいつまでがシーズン中で、いつがオフなのか。

それぞれの時期に、どんな楽しみがあるのか。

チーム、ファン、そして応援団の目線も加えてスケジュールを見てみましょう。


年間スケジュール

年間スケジュールを見て行きましょう


ざっくり言うと『シーズン期間』と『オフシーズン』があります。

その中間として、『シーズン準備期間』もあるので、大別すると3つに分かれますかね。

◆シーズン準備期間
・2月1日~  春季キャンプ
・2月末~3月 オープン戦

◆シーズン期間
3月末  開幕
5〜6月 交流戦
10月  閉幕 クライマックスシリーズ 日本シリーズ

◆オフシーズン
・11月~12月 契約更改
・12月〜1月  自主トレ


※2020年、2021年は東京オリンピックが開催された関係で、一部の日程の時期が少し変わりました。

具体的には、開幕が早まり、クライマックスシリーズや日本シリーズの開催が遅くなりました。





月ごとの予定

月ごとの大まかな動きを見て行きます。

選手や球団の動きだけでなく、応援団の動きも併せて解説します。


1月 自主トレ期間

完全なシーズンオフです。

選手は自主トレをしているようです。野球関連のおもしろいニュースは、ほとんど入ってきません。

この時期に野球を楽しみたかったら、過去の動画や雑誌などを見るのが一番です。

あるいは、若手の成長や新戦力の加入などを踏まえて自分なりの今シーズンの展望を空想してみるのも一興です。


ちなみに『シーズン中は時間もお金も野球につぎ込む』というタイプの人は、この時期にせっせとお金を貯めたり家族サービスを頑張ったりします。これはかつての僕です。


そして、応援団はこの時期には新しい応援歌や応援スタイルを練ったり、練習したり、応援力の向上に努めています。

選手の自主トレと同様、ここでがんばったことが長いシーズンで必ず活きてきます。

毎年そうですが、その年初めてのトランペット(初吹き)はたいへん清々しくて気持ちいいものです。

ただ一つ言いたいのは、冬場のラッパは触れないほど冷たくて、練習は超絶つらいです。


2月 キャンプとオープン戦が始まる

キャンプが始まります。

全球団が等しく夢を見ていられる季節です。

この頃から、各球団の選手名鑑なるものが各種媒体で作成されます。

同時に、戦力分析とか予想オーダーなんていうものも作られます。

OBを中心とする有識者なる人たちが、順位予想であるとか飛躍が期待できる若手なんてのを取り上げて記事にします。

月の後半になるとキャンプは終わり、オープン戦が始まります。


3月 オープン戦が佳境 下旬には開幕

オープン戦真っ盛りになります。

次第にメンバーが主力選手中心となり、シーズン本番を占うような結果が出始めます。

しぜん、開幕が楽しみでしかないチームと、徐々に不安になり始めるチームとの差が出始めます。


どのチームにも『今年は覚醒か』と思わせる若手や『オープン戦絶好調』という波に乗った選手、逆にケガや調整遅れで『開幕絶望』となる選手が現れます。

こうして、贔屓球団やライバル球団の状態の良し悪しに一喜一憂しながら、開幕を迎えます。


しかし、どんなに贔屓球団に不安があろうと、開幕を迎えてワクワクしないファンはいません。

すべての野球ファンにとって、開幕日は待ちに待ったお祭りの日です。


4月 野球観戦の毎日が始まる

開幕戦は当たり前ですが、勝てば貯金ができ、負ければ借金ができます。

143試合のうちの1試合なので開幕戦の勝ち負けにこだわる必要はありませんが、なかにはこれが「今シーズン唯一の5割超え」だったり、もっとすごいチームだと「数年ぶりの貯金」とかいうことも起きます。

逆に常勝チームの場合は、珍しい「借金状態」を味わうこともあります。

いずれも、長いシーズンを戦うにあたって意味のある数字ではありませんが、ジンクスとか記録に捉われている場合は、そうした数字が大きな意味をもつこともあります。


ちなみに開幕直後は、ちょっと活躍すればすごい好成績がつきます。

打率6割とか、年間100本塁打ペースとか、そういう極端な成績が生まれます。

逆に、開幕で不振だった選手は打率が1割にも満たないとか、防御率が10点台ということもあります。

好調の場合も不調の場合もいずれは普通の範囲内に収まってくるものだけど、開幕直後はこうした極端な数字というのが気になる時期でもあります。


5月 交流戦がスタート

開幕から1か月経過してくると、だいぶ落ち着いてきます。

チーム状態によって、今年は優勝争いできそうな手ごたえをつかむこともあれば、早くも脱落しかけてしまうチームもあります。


5月の後半になると、セ・パ交流戦が始まります。

いつもと違う対戦相手と対戦するので、ワクワクします。

ふだん行かない地域や球場に行くので、遠征も楽しみになります。

交流戦は、同じリーグのライバル球団がみな負けているのに自分だけが勝つ「一人勝ち」が起こりえます。その逆もあります。


個人的な考えとして、交流戦は、一人負けさえしなければOKと思っています。

ライバル球団がみな負けていたら、贔屓球団も負けてもいいと思っています。

これにはいちおう理由もあります。


通常の同一リーグ内での試合であれば、自分が負けてしまうと、同時に相手に白星を与えてしまいます。

ですが、交流戦では相手は違うリーグの所属なので、相手チームに白星がついてもそれ自体はどうってことありません。

だから、同じ勝つなら同じリーグの相手から勝利したほうが断然いいわけで、倒しても仕方ない別リーグのチームを相手に2勝する力があるなら、優勝争いしている同一リーグのライバルから1勝して欲しいと思うわけです。


6月 交流戦を終えリーグ戦が再開

中旬には、交流戦が終わっていつものリーグ戦が再開します。

梅雨が始まると、屋外球場は常に雨天中止の不安にさらされます。

雨の中を観戦するのも嫌だけど、せっかく休みを調整していた試合が中止になると、落ち込みます。

遠征のときはなおさらです。


土砂降りとわかっていて、それでも奇跡の天候回復を信じて遠征に行くかどうか。

僕の場合、ホテルも飛行機もキャンセルできない状況であれば、やぶれかぶれで行ってしまうことが多いです。

それで試合中止になったらもう仕方がないので、テキトーに地元のうまいもの食べて、雨のなかちょこちょこと観光してそれで帰ります。

その点、ドーム球場の場合は安心して観戦できるので、どうしても遠征はドーム球場中心で計画してしまいます。

最も長い距離を移動しないと行けない『最北端の札幌』と『最西端の福岡』がドーム球場なのは、ありがたい限りです。


7月 オールスターから後半戦へ

梅雨が明けるころ、シーズンの前半が終わります。

オールスターが開催されます。

選手同様、応援団も各チーム寄りすぐりの豪華メンバーが参加します。

ふだんはできない他球団の応援なんかも堂々とできます。

選手同士、ファン同士、応援団同士が仲良く交流を図れる機会は良いなと毎回思います。

でもなれ合いは面白くなくなるので、リーグ戦が再開したら、ある程度のバチバチ感は求めてしまいます。


オールスターが終わると、シーズン後半が始まります。


応援団は、二軍戦への参加、みんなで集まって練習会をするなどして、定期的に練習の機会を作っては能力向上に努めています。


8月 お盆と夏休みで観戦意欲もピークに

一部の脱落したチームを除き、ペナントレースの行方はヒートアップしてきます。

くわえて夏休みやお盆休みなどで時間に余裕がある人が増え、春先と並んで、観戦意欲がピークになります。

観客数も増えると、とうぜんスタンドの熱気がヒートアップしてきます。


野球の盛り上がりとしては最高に楽しい時期ですが、応援団にとっては猛暑との闘いが過酷な時期でもあります。

屋外球場の場合は、試合開始後しばらくは日差しが残っていて、ジリジリと苦しめてくれます。

攻撃の最中に水分補給できるタイミングはわずかに限られているので、熱中症の脅威も常にあります。

怒涛の攻撃で押せ押せのとき、ファンが最高に盛り上がっているのは僕らとしても超絶楽しいけど、一方で、10分を超えるチャンステーマ吹きっぱなしタイムなんてのは、時に死をも覚悟するほどの壮絶ミッションになります。

でも、応援が命がけであればあるほどなぜか燃えてくるのが不思議です。

勝敗への感受性も豊かになるし、充実感や達成感を心の底から得ることができます。


9月 大詰めで順位争いがヒートアップ

シーズンが佳境に入ってきます。

優勝やAクラスがかかる大事な時期になってくると、気づけば毎日スタンドにいるなんて状態にもなりがちです。


優勝マジックが点いたり消えたり、クライマックスシリーズ出場ライン予想されたりします。

目先の一勝に対する一喜一憂の度合いがもっとも大きくなります。

しぜん、応援する方も力が入ってきます。

最後まで優勝争いをすることができたら、最高にワクワクできる毎日を過ごせます。


10月 シーズンが終わり、CS、日本シリーズへ

半年にわたる長いペナントレースが終わり、順位が確定します。

優勝チームは、ファンとしても至上の喜びを得られます。

選手の個人タイトルも決定します。


シーズン終了後、クライマックスシリーズが開催されます。

1戦必勝の大激戦になります。

これに勝ち上がったチーム同士が日本シリーズに出場します。


後半にはドラフト会議が開催されます。

各球団の姿勢もわかるし、気になるアマチュア選手の進路が決まるし、いろんなドラマ性があって注目を集めます。

ドラフト会議の一方で、各球団から戦力外となる選手が発表されます。

応援していた選手が戦力外になるニュースは、毎年寂しさを感じます。


秋のキャンプが行われます。

月の終わりごろ、日本シリーズが開催されます。


11月 日本シリーズが終わるとFA解禁

日本シリーズが開催され、日本一のチームが決まります。

日本一になると、ファンとしても非常に嬉しいものです。

チームを信じて必死に応援したことが報われたような気がして、胸を張りたくもなります。


日本シリーズが終わると、各チームとも編成が慌ただしくなります。

FA宣言が解禁されます。

FA宣言やポスティングにより、大物選手の一人や二人は他チームへ移籍してしまいます。

他にトレードがあったり、追加の戦力外通告があったりで、来年の顔ぶれが固まってきます。


監督が交代するチームもあります。

コーチの移籍とか配置換えも、コアなファンにとっては聞き逃せないニュースです。


11月23日には多くの球団でファン感謝デーが開催されます。

試合がない代わりに、選手はテレビ出演だのトークショーだのサイン会だの講演会だので引っ張りだこになり、僕たちはグランドとは違う側面の選手を見ることができます。


応援団も総会やら納会やらがあり、一年間の公式活動を締めくくります。


12月 トライアウト、契約更改

戦力外になった選手を中心とした12球団合同トライアウトが開催されます。

毎年、ここで何人かの選手が契約にこぎつけます。


MVP、新人王、ゴールデングラブなどの投票による各賞が発表されます。

選手の契約更改が行われ、自分ごとのようにドキドキしてしまいます。


こうして、プロ野球の一年間は終わっていきます。




まとめ

春が近づけばキャンプ、オープン戦、そして開幕がやってきます。

新緑の季節が過ぎれば交流戦。

梅雨の頃にはオールスターがあり、夏真っ盛りになるといよいよ後半戦。

そして肌寒くなる頃にはCSや日本シリーズが始まります。

寒い冬の間はオフシーズンとなり、そしてまた年が明けて春が近づいて来る・・・


その時々で何かしらの動きがあり、楽しみもあります。

四季を感じながら野球を楽しめるなんて、つくづく日本はいい国だなと思います。

『開幕』『交流戦』『日本シリーズ』『ドラフト』なんて、そのまま季語になりそうですね。

一年間を通じて、みんなで野球観戦を楽しんで行きましょう。


以上、『プロ野球の一年間の楽しみ方を季節別に紹介【応援団目線あり】』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。