消化試合の楽しみ方5選【順位目標を見失ったチームのファン必見】
おはようございます、元応援団員のハルカです。
2021年のシーズンも残り20試合程度となり、ペナントレースも佳境に入ってきました。
ファンにとって、もっとも盛り上がる時期だと言えます。
『優勝争い』や『Aクラス入りをかけた試合』など、毎試合の結果に一喜一憂できる、スリリングな毎日を過ごせます。
しかし、12球団すべてがこうした熱気と緊張の中で試合をしているわけではありません。
Bクラスが決定的になったチームもいくつかあるわけで、目標を失ってしまったチームも現れ始めています。
目標を失ってしまうと、残りの試合はすべてただ消化するだけの試合になってしまいます。
選手もモチベーションが上がらないでしょうが、ファンとしても退屈してしまいます。
でも、貴重な試合をただ漠然と消化していくだけなんて、正直もったいなさすぎます!
せっかく試合が組まれているのだから、消化試合の中にも注目できる点を見出し、楽しみや興奮を味わいたいものです。
そこで、今回は『消化試合の楽しみ方』に注目し、目標を失いかけたチームの見どころや消化試合をより楽しむための方法について、取り上げてみたいと思います。
消化試合にも楽しみをもって、最後の1試合まで野球観戦を味わい尽くしましょう。
一つでも上の順位を目指す
一つでも上の順位を目指すのは、チームの本来の目標です。
『優勝できなければ2位も6位も同じ』なんて言葉もありますが、誰でもわかるとおり、2位と6位は同じではありません。
『優勝』という大目標に比べたら小さな目標かもしれませんが、6位より5位を、3位より2位を目指すのは、球団としてあるべき姿です。
現有戦力で最大限の結果を出すことは、戦う集団の使命と言えます。
それを踏まえると、消化試合とはいえ『1試合でも多く勝つこと』は重要なことで、今までどおりチームの勝利を応援することが、楽しみ方の一つと言えそうです。
ただし、勝利を追いかけるのも程度問題があります。
『優勝』『Aクラス』『CS進出』といった上位の順位争いに比べると、Bクラスの順位争いはちょっとシラけた感じがします。
『4位も6位も正直変わらない』と思うファンも多いことと思います。
後述しますが、消化試合には『個人記録への挑戦』や『若手の抜擢』など他にも意義があります。
目先の勝利より、それらを目標にして欲しいと思えるときもあります。
『5位を目指すために無理をさせてでもベストメンバーで臨み、目の前の試合を勝ちに行く』と言われても、さすがにファンの共感を得にくいところがあります。
また、ペナントレースの展開によっては『一つ上の順位さえ狙えない』という状況が起こり得ます。
『ダントツ最下位』もそうですし、『3位とも5位とも大差がある4位』という状況もあります。
こういうゲーム差に位置してしまうと、目先の勝利も敗戦も大きな意味をなさなくなってしまい、勝利を目指す気持ちが薄れてしまいます。
そんなときは、勝敗とは別の観点で消化試合の意義を見つけていきたいところです。
タイトル争いや個人記録を応援する
チームとして目標を失ったとしても、選手個人にはタイトル争いや記録への挑戦がかかっている場合があります。
ファンとしても、『チームが下位でもせめて応援している選手にタイトルを獲って欲しい』という気持ちがあります。
個人タイトル以外にも、通算2000本安打を目指すとか、連続記録の継続とか、個人によって目指すものはいろいろあります。
消化試合では、勝敗よりタイトル争いや個人記録に多くの注目が集まるようになっていきます。
中には、試合の勝敗よりも個人記録のアシストを優先するチームもあります。
個人優先が目立つ采配としては、こんな感じでしょうか。
・タイトル争いや規定打席到達などを目指す選手を打順1番で起用する
・首位打者、最優秀防御率で現在1位になっている選手を試合に出さない
・特定の投手の有利になるように先発ローテーションを編成する
・最多勝争いをする投手を、勝利投手になりやすい場面でリリーフ登板させる
シーズン終盤になると、よく見かけられる光景です。
ただし、アシストも度が過ぎてくると、ファンの失望や反感を買うシーンもあります。
昨シーズン(2020年)終盤、『最優秀中継ぎ投手』のタイトルを同一チームの2選手が分け合うために、最後は両投手とも登板させないチームがありました。
同じ試合で、その対戦相手のチームは、『打率3割』がかかる選手と『年間無失策記録』がかかる選手をそれぞれ打席、守備に就かせませんでした。
消化試合でなければ、まずあり得ない采配です。
まあ、この程度であればまだ許容範囲内でしょうか。
まだ自分の選手の起用方法であれば、そのような起用方法も問題視されることは稀です。
これが、相手選手へのあからさまな妨害となると、一気に野球ファンの反発を招きます。
打撃タイトルを争う相手を試合展開に関わらず敬遠するシーンは、ときどき見かけます。
ここまでくると、露骨すぎて見苦しさを感じる人も多いでしょう。
某年の盗塁王争いでは、ライバル選手に盗塁させないためにわざと牽制悪送球を投げたチームがありました。
ところが、走者は走者で悪送球なのに進塁もせず一塁に留まっていました。どっちもどっちですね。
すると投手はわざとボークして、強制的に二塁に進塁させました。
このタイトル争いのやり口も、かなり批判されていました。
プロ野球選手は『スポーツ』ではなく『ビジネス』として野球をしているので、タイトルや記録に躍起になることは、理解できます。
むしろ、プロだからこそ自分の成績に執念を見せるべきだとも思います。
僕はこういったなりふり構わない姿勢がけっこう好きです。
ただし、ファンの大多数は、クリーンな形での勝負を期待しています。
スポーツマンシップに則ったフェアな勝負に勝利してこそ価値がある、という考えでしょうか。
ファンはある意味で無責任な立場だからそういうことも言えるわけですが、しかし多くのファンは『真っ向勝負だからこそお金を払ってでも観戦したい』と思うわけで、お客様であるファンのニーズは無視できません。
このあたりはいろいろな意見や考え方があるので、賛否にはなかなか結論が出しにくいですね。
いずれにしても、消化試合になると、試合の勝敗よりも個人の成績が優先される傾向にあるのは間違いありません。
どの程度個人記録を優先するかは、チームの置かれた状況によって差があります。
こうした個人記録の争いや挑戦に目を向けるのは、消化試合の大きな注目点と言えます。
若手の活躍に目を向ける
順位での目標を失ったとき、残り試合を有意義なものにする要素の一つが『若手の活躍』です。
目の前の勝利にそこまでの意味がなくなったとき、若手の出場機会が一気に増えるチャンスでもあります。
若手に経験を積ませ、伸びしろを引き出してやることは、来季以降のチームの飛躍に結びつきます。
何より、若手の成長を見ることで、ファンは大きく喜びます。
もちろん、『一軍の試合に出場するイコール成長』とは限りません。
成長には段階があるので、若手の抜擢と言っても、選手によって状況は違います。
『今は一軍ではなく二軍で猛練習するべき』という若手もいるので、その段階であれば、一軍での試合出場は『一軍の雰囲気を感じる』『現時点での課題を浮き彫りにする』程度で十分だと思います。
一方で、『試合に出場することでどんどん伸びる時期』という若手もいます。
消化試合になると、そうした若手に出場機会が与えられやすくなります。
若手選手は技術的に未熟な場合が多いし、経験も引き出しも少ないので、当然ミスも多いでしょう。スピードやパワーで相手に圧倒される場面も多いと思います。
それでも、若手選手が一軍の試合の中で成長していくことは、その選手にとっても、チームにとっても、ファンにとっても非常に有意義で、またワクワクすることでもあります。
若手の成長にワクワクする楽しみは、来年の、あるいは3年先や5年先の明るい未来を夢見るという楽しみにも繋がります。
『負けられない試合』の場合は、未熟な若手選手を起用しづらいところがあります。
しかし、ある程度負けてもいい消化試合になったとき、若手選手が一軍の試合で成長することは、消化試合を楽しみのある試合に変えてくれます。
帳尻合わせに注目する
シーズン終盤になると、『帳尻合わせ』なるものが各チームに見られます。
これは外国人選手や、中堅からベテランの選手に多くみられます。
シーズン序盤は絶不調で鳴かず飛ばずだった選手が、消化試合になったころ成績を上げ始め、終わってみればそこそこの成績でフィニッシュする、というのがよく言われる『帳尻合わせ』です。
たいての場合、『帳尻合わせ』は皮肉や批判をこめて呼ばれます。
でも、最終的にそれなりの成績にまとめることは重要だし、また大変なことでもあります。
『同じ活躍するなら序盤に活躍してくれよ』と思ってしまう気持ちはわかります。
一方で、帳尻合わせでそれなりの成績を残せる選手というのも、そもそも実力がなければ帳尻合わせもできないわけで、そういう要領の良さなんかを密かに楽しく思ってしまうところもあります。
一般的にはあまり好かれない帳尻合わせですが、『あ、この選手が帳尻を合わせてきたぞ』なんてところに注目するのも、消化試合の楽しみの一つだったりします。
このメンバーで戦うことを噛み締める
最後は、ちょっとマイナーな考え方をご紹介します。
どこの球団も、毎年オフになるとメンバーの入れ替わりがあります。
引退、トレード、FA移籍、自由契約など、今年限りで退団する選手が必ず何人かいます。
首脳陣も同様です。
監督が変わることだってあります。
つまり、『このメンバーで戦う』のは今年限りであり、大げさに言えば『まったく同じ顔触れでチームを組む』ことはもう二度とありません。
現場のスタッフでもない僕がそんなに感傷的に思うのも変な話ですが、やっぱりチームを応援するいちファンとして、思うところはあります。
だから、たとえ消化試合でも、『今のこのメンバーのチームを悔いなく応援しよう』という気持ちになります。
退団してしまえば、基本的にもうその選手を今までのように応援することはなくなります。
『移籍先での活躍を祈る』とか『第二の人生を応援する』のは、また違う次元の話になります。
それに、応援団の立場でいえば、『その応援歌や応援コールが最後になる』ということに特別な思いを感じます。
このように、『この中の誰かは今年で最後』という気持ちをもって、消化試合の一試合ずつをかみしめて応援することも、また有意義な試合の消化方法だと思っています。
まとめ
シーズン終盤、優勝争いをしていることが、チームにとってもファンにとっても一番幸せなことです。
優勝争いとまではいかなくても、CS争いをすることも十分に楽しめます。
しかし、そうした順位争いから取り残されてしまったいくつかの球団にも、まだ楽しみは残されています。
残りの試合を、ほんとうに文字通り消化試合にしてしまうのか、それとも最後まで目が離せない楽しい試合にするのか。
それは、チームの戦い方次第であると同時に、それを見るファンの視点次第であるとも言えます。
一つでも試合の注目ポイントを増やして、シーズンの最後の1試合まで楽しく有意義に観戦したいですね。
以上、『消化試合の楽しみ方5選【順位目標を見失ったチームのファン必見】』でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。