近20年で一等強い球団はどこ?【近20年の覇者】セ・リーグ編

おはようございます、元応援団員のハルカです。


世の中は、栄枯盛衰です。

プロ野球の球団も例外ではありません。

メンバーは毎年入れ替わるし、ケガや好不調の波もあります。

とうぜん、強いときもあれば弱いときもあります。


『常勝』と言っても、何年ものあいだ勝ち続けているわけではありません。

20年単位くらいのロングスケールで見てみると、多くの球団で『黄金期』と『暗黒時代』が1度ずつは訪れているような感じです。


では、各チームが浮沈を繰り返すなかでも、近20年でもっとも強かった球団はどこなのか?

過去20年を振返り、勝手に2000年代の王者を決定したいと思います。


今回は、セ・リーグ編をやります。

ちなみに、横浜は『横浜ベイスターズ』と『横浜DeNAベイスターズ』を同じ球団としてみています。





球団別の戦績

セ・リーグ各球団の近20年の戦績を、球団別に見てみましょう。


読売ジャイアンツ

まずは読売ジャイアンツです。

20年間で1500勝、優勝9回、Aクラス17回はすべてセ・リーグでダントツの数字です。

優勝9回は、12球団でトップの回数です。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 優勝 86勝52敗2分 原辰徳
2003年 3位 71勝66敗3分 原辰徳
2004年 3位 71勝64敗3分 堀内恒夫
2005年 5位 62勝80敗4分 堀内恒夫
2006年 4位 65勝79敗2分 原辰徳
2007年 優勝 80勝63敗1分 原辰徳
2008年 優勝 84勝57敗3分 原辰徳
2009年 優勝 89勝46敗9分 原辰徳
2010年 3位 79勝64敗1分 原辰徳
2011年 3位 71勝62敗11分 原辰徳
2012年 優勝 86勝43敗15分 原辰徳
2013年 優勝 84勝53敗7分 原辰徳
2014年 優勝 82勝61敗1分 原辰徳
2015年 2位 75勝67敗1分 原辰徳
2016年 2位 71勝69敗3分 高橋由伸
2017年 4位 72勝68敗3分 高橋由伸
2018年 3位 67勝71敗5分 高橋由伸
2019年 優勝 77勝64敗2分 原辰徳
2020年 優勝 67勝45敗8分 原辰徳
2021年 3位 61勝62敗20分 原辰徳


原監督が長期政権や政権復帰など、ほとんどの時期に指揮を執っています。

原監督は明るく爽やかな性格だけでなく、厳しさや勝負勘を持ち合わせた優秀な人物といった印象を受けます。

選手のやりくりがうまく、大胆で積極的な起用も目立ちます。

FAなどの大型補強を行う一方、育成を含めたドラフトで獲得した若手をうまく育てて起用しています。


2021年現在、そろそろ勇退かとの声も聞かれながらも、来シーズンの指揮を執ることが決まっているようです。

個人的には原監督に勝る監督はそう簡単に見つからないと思っています。

12球団トップクラスの名監督だと思います。


阪神タイガース

次は阪神タイガースです。

読売に次ぐ1442勝をマーク。

優勝2回、Aクラス13回を記録しています。

特別強くはないけど弱くもなく、『毎年そこそこの良い位置にいる』という印象です。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 4位 66勝70敗4分 星野仙一
2003年 優勝 87勝51敗2分 星野仙一
2004年 4位 66勝70敗2分 岡田彰布
2005年 優勝 87勝54敗5分 岡田彰布
2006年 2位 84勝58敗4分 岡田彰布
2007年 3位 74勝66敗4分 岡田彰布
2008年 2位 82勝59敗3分 岡田彰布
2009年 4位 67勝73敗4分 真弓明信
2010年 2位 78勝63勝3分 真弓明信
2011年 4位 68勝70勝6分 真弓明信
2012年 5位 55勝75敗14分 和田豊
2013年 2位 73勝67敗4分 和田豊
2014年 2位 75勝68敗1分 和田豊
2015年 3位 70勝71敗2分 和田豊
2016年 4位 64勝76敗3分 金本知憲
2017年 2位 78勝61敗4分 金本知憲
2018年 6位 62勝79敗2分 金本知憲
2019年 3位 69勝68敗6分 矢野燿大
2020年 2位 60勝53敗7分 矢野燿大
2021年 2位 77勝56敗10分 矢野燿大


00年代は岡田監督、10年代は金本監督の印象が強いですね。

岡田監督は、『原・巨人』や『落合・中日』と三つ巴でセ・リーグを盛り上げた印象です。


金本監督は『超変革』を掲げ、有望な野手を積極的に獲得し、起用してきました。その成果が、現在の阪神の原動力になっているようです。

金本監督は、一軍監督ではなく『二軍監督』あるいは『打撃コーチ』が適所だったのではという気がします。


中日ドラゴンズ

続いて中日ドラゴンズです。

1402勝を挙げ、優勝4回、Aクラス12回の成績でした。

20年間のうち、落合監督が率いた8年間に黄金時代を築き、落合監督が退任後は急転直下で暗黒時代に突入しました。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 3位 69勝66敗5分 山田久志
2003年 2位 73勝66敗1分 山田久志
2004年 優勝 79勝56敗3分 落合博満
2005年 2位 79勝66敗1分 落合博満
2006年 優勝 87勝54敗5分 落合博満
2007年 2位 78勝64敗2分 落合博満
2008年 3位 71勝68敗5分 落合博満
2009年 2位 81勝62敗1分 落合博満
2010年 優勝 79勝62敗3分 落合博満
2011年 優勝 75勝59敗10分 落合博満
2012年 2位 75勝53敗16分 高木守道
2013年 4位 64勝77敗3分 高木守道
2014年 4位 67勝73敗4分 谷繁元信
2015年 5位 62勝77敗4分 谷繁元信
2016年 6位 58勝82敗3分 谷繁元信
2017年 5位 59勝79敗5分 森繁和
2018年 5位 63勝78敗2分 森繁和
2019年 5位 68勝73敗2分 与田剛
2020年 3位 60勝55敗5分 与田剛
2021年 5位 55勝71敗17分 与田剛


落合監督は『面白い野球はしない』と言いましたが、強さは圧倒的でした。

高木監督は『ジョイナス』のキャッチフレーズで面白い野球を目指しましたが、強くはありませんでした。

与田監督は『面白くない』うえ『強くもない』と言ったら言い過ぎでしょうか。

ただ、Bクラスに低迷していたうえ、『若手を使わない』『一軍と二軍をあまり入れ替えない』ことで、見ていてワクワクするような野球ではなかったことは事実です。

金本監督同様、一軍監督ではなく『投手コーチ』として有能な人材だったのでは、という気がします。


東京ヤクルトスワローズ

次は、東京ヤクルトスワローズです。

1315勝を挙げました。

優勝2回、Aクラス10回がある一方、最下位6回をマークするなど、年によって異なる顔を見せる不思議なチームです。

優勝2回は、どちらも2年連続最下位からの巻き返しでした。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 2位 74勝62敗4分 若松勉
2003年 3位 71勝66敗3分 若松勉
2004年 2位 72勝64敗2分 若松勉
2005年 4位 71勝73敗2分 若松勉
2006年 3位 70勝73敗3分 古田敦也
2007年 6位 60勝84敗0分 古田敦也
2008年 5位 66勝74敗4分 高田繁
2009年 3位 71勝72敗1分 高田繁
2010年 4位 72勝68敗4分 高田繁
2011年 2位 70勝59敗15分 小川淳司
2012年 3位 68勝65敗11分 小川淳司
2013年 6位 57勝83敗4分 小川淳司
2014年 6位 60勝81敗3分 小川淳司
2015年 優勝 76勝65敗2分 真中満
2016年 5位 64勝78敗1分 真中満
2017年 6位 45勝96敗2分 真中満
2018年 2位 75勝66敗2分 小川淳司
2019年 6位 59勝82敗2分 小川淳司
2020年 6位 41勝69敗10分 高津臣吾
2021年 優勝 73勝52敗18分 高津臣吾


よくも悪くも強さに安定感がなく、『前年の成績』も『専門家の戦力分析』も、このチームに関してはまったくアテになりません。

『今年のヤクルトは強いのか』という問いは、シーズンが始まってみないと誰にも予測がつきません。


基本的にFAでの補強はほとんど行いません。

ドラフトで指名した選手を主力に育成しつつ、トレードやテスト入団で獲得した選手を上手に起用して戦力にしている印象です。

また、獲得した外国人選手に大物が多いのも特徴です。

ただ、FAで主力選手が退団したり、優秀な外国人選手を引き留められなかったりが目立ちます。

こうしたことが、長く安定した強さを維持できない要因の一つのように見えます。


広島東洋カープ

次は、広島東洋カープです。

この20年で1340勝を挙げ、優勝3回、Aクラス5回という成績を残しました。

Bクラスが長く続いていましたが、急に異様な強さを見せて3連覇した不思議なチームです。

00年代にやたら5位が多かったのが特徴的です。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 5位 64勝72敗4分 山本浩二
2003年 5位 67勝71敗2分 山本浩二
2004年 5位 60勝77敗1分 山本浩二
2005年 6位 58勝84敗4分 山本浩二
2006年 5位 62勝79敗5分 M.ブラウン
2007年 5位 60勝82敗2分 M.ブラウン
2008年 4位 69勝70敗5分 M.ブラウン
2009年 5位 65勝75敗4分 M.ブラウン
2010年 5位 58勝84敗2分 野村謙二郎
2011年 5位 60勝76敗8分 野村謙二郎
2012年 4位 61勝71敗12分 野村謙二郎
2013年 3位 69勝72敗3分 野村謙二郎
2014年 3位 74勝68敗2分 野村謙二郎
2015年 4位 69勝71敗3分 緒方孝市
2016年 優勝 89勝52敗2分 緒方孝市
2017年 優勝 88勝51敗4分 緒方孝市
2018年 優勝 82勝59敗2分 緒方孝市
2019年 4位 70勝70敗3分 緒方孝市
2020年 5位 52勝56敗12分 佐々岡真司
2021年 4位 63勝68敗12分 佐々岡真司


FA戦線に乗り出したことはありますが、じっさいFAで選手を獲得したことはありません。

地元を中心にドラフトで有望選手を獲得し、主力に育てている印象です。

優良外国人の発掘に長けていて、多くの助っ人選手が活躍しています。


2016年から、急に猛烈な強さを見せて3連覇しました。

ただ、主力選手がドーピング検査で陽性になった頃から、また元の強さに戻ってきたようです。

その選手以外にも、3連覇の頃に在籍していた数人の助っ人選手から陽性反応が出ました。

どの選手も退団後に陽性が発覚したので騒ぎが大きくならなかったようですが、3連覇の『突然の異様な強さ』に疑惑がついて、モヤモヤした感じが残ってしまったのが残念です。


横浜DeNAベイスターズ

最後に、横浜DeNAベイスターズです。

20年間で1174勝。これは、セ・リーグでもっとも少ない勝利数でした。

Aクラスは4回。

優勝はしていませんが、CSで勝ち上がったため、日本シリーズには1度出場しています。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 6位 49勝86敗5分 森祇晶
2003年 6位 45勝94敗1分 山下大輔
2004年 6位 59勝76敗3分 山下大輔
2005年 3位 69勝70敗7分 牛島和彦
2006年 6位 58勝84敗4分 牛島和彦
2007年 4位 71勝72敗1分 大矢明彦
2008年 6位 48勝94敗2分 大矢明彦
2009年 6位 51勝93敗0分 大矢明彦
2010年 6位 48勝95敗1分 尾花高夫
2011年 6位 47勝86敗11分 尾花高夫
2012年 6位 46勝85敗13分 中畑清
2013年 5位 64勝79敗1分 中畑清
2014年 5位 67勝75敗2分 中畑清
2015年 6位 62勝80敗1分 中畑清
2016年 3位 69勝71敗3分 A.ラミレス
2017年 3位 73勝65敗5分 A.ラミレス
2018年 4位 67勝74敗2分 A.ラミレス
2019年 2位 71勝69敗3分 A.ラミレス
2020年 4位 56勝58敗6分 A.ラミレス
2021年 6位 54勝73敗16分 三浦大輔


00年代は、数年に一度最下位から脱出するのがやっとという、暗黒時代を迎えていました。

50勝に満たないシーズンを何度も経験しました。


10年代に入り、中畑監督になってチームが明るくなり、ラミレス監督になって一気に強くなったという感じです。

特に日本シリーズに出場した2017年は、シーズンやクライマックスシリーズを通じてチームが成長していく姿がうかがえ、当時セ界でもっともワクワクさせるチームでした。





近20年の覇者は

近20年の『順位』と『勝敗』の平均値を出してみました。

読売   2.20位 75.0勝 61.8敗 5.2分
阪神   2.90位 72.1勝 65.4敗 4.5分
中日   3.10位 70.1勝 67.1敗 4.9分
ヤクルト 3.80位 65.8勝 71.6敗 4.7分
広島   4.00位 67.0勝 70.4敗 4.6分
横浜   4.95位 58.7勝 79.0敗 4.4分


以上の結果をみて、近20年のセ・リーグの覇者は『読売ジャイアンツ』となりそうです。


読売の強さは、リーグ内でも圧倒的でした。

FAによる補強が批判されることが多いですが、育成枠も含めたドラフトやトレードの積極活用など、様々な補強方法でチームが強化されています。

また、これだけの戦力を扱う監督の手腕も巧みで、その用兵も高く評価されています。

球界の盟主として、残すべき成績を残したという感じじゃないでしょうか。


その読売のライバル球団である阪神と中日。

落合監督が指揮していた時期だけを切り取れば中日が圧倒的でしたが、その後は暗黒時代に突入。

20年間というロングスパンで見ると、阪神の安定感の方が優るようです。


ヤクルトは、強さと弱さを兼ね備えた、不思議で不気味なチームです。

前年の成績も下馬評も一切アテにならず、良くも悪くも予想外の結果を残します。

黄金時代や暗黒時代というより、ふいに強くなったり弱くなったりという感じです。


広島、DeNAは長く下位に沈んでいました。特に00年代はほとんど負け続けの時代を迎えました。

ともに10年代にチーム力を伸ばして見せ場を作りました。

再度、低迷の兆候が見えるので、何とか歯止めをかけたいところです。





まとめ

近20年のセ・リーグの成績をもとに、1位から6位まで順番をつけてみました。


冒頭で、『プロ野球は栄枯盛衰』と述べました。

パ・リーグのソフトバンク同様、読売も勝ち続けた近20年でした。

阪神も、数年の落ちこみはあるものの、暗黒と呼べるほどの低迷はありませんでした。


それ以外の4球団は、20年の間に天国もあれば地獄もあったという感じです。

中日、広島、DeNAはその周期がロングスケールなのに対して、ヤクルトは単年ごとに強さと弱さが入れ替わるような感じがします。


パ・リーグでも書きましたが、近20年の盛衰がそのまま次の20年に続いていくとは限りません。

読売にも不安要素や弱点はあります。

逆に、2021年にBクラスだった3球団には、それぞれ来季強くなりそうな魅力的な要素がたくさんあります。

ヤクルトや阪神にも絶対的な強さはなく、実力バランスは混沌とした感じです。


次の20年では各チームにどんな変化が表れていくのか。

それを楽しみにしながら、1年1年を楽しく観戦していきたいと思います。


以上、『近20年で一等強い球団はどこ?【近20年の覇者】セ・リーグ編』でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。