応援団がいなくても楽しめる?『鳴り物なし』で聞こえる球場の音5つ

2021年8月11日

おはようございます、元応援団員のハルカです。


コロナウイルスの影響で、野球の観戦スタイルは大きく変化しました。


無観客、あるいは鳴り物応援がない状態になったことで、

以前のようにスタンドから熱い応援が送られることがなくなりました。


トランペットなし、太鼓なし、笛なし。

一般ファンによる声援、手拍子なども消えてしまいました。

スタンドは以前と比較すると、シーンと静まり返っているように感じます。


鳴り物応援は野球の醍醐味の一つでもあるので、

それが消えて寂しい思いをしている人も多いかと思います。

元応援団員の僕としても、まったく寂しい思いをしています。


でも、物足りなくなった反面、良さもあるようです。


それは、今までかき消されていた『野球の音』が聞こえるようになったことです。

『野球本来の音』ともいうべき野球の効果音が、時にはエグイ強烈な音を響かせて、ファンの耳にハッキリと聴こえるようになりました。

時には、元応援団員の僕でさえ、『鳴り物無しの球場っていいもんだな』とうっかり思ってしまうことがあるほどです。

(問題発言?)


そこで今回は、球場で聞こえるようになった『野球の音』にはどんなものがあるかピックアップし、

鳴り物応援のできない野球場での楽しみ方を紹介したいと思います。


球場から姿を消した音

コロナの時代になって、球場から多くの音が消えました。


消えた音は、応援を中心とするファンの声援です。

『無観客試合』などは最たるもので、ガラーンとした球場には応援はおろか、拍手やざわめきといったものも一切が消えてしまいました。

一応、選手の登場曲なんかは球場が流しているみたいですが、人の存在を感じさせるような『声援』とか『どよめき』といったものはまったくありません。


有観客の場合も、やっぱりコロナ前とは様子が違います。

無観客ほどではないにしろ、やっぱりスタンドから音が聞こえてこなくなり、球場全体が静かになった印象を受けます。

入場人数に制限をかけていることもありますが、一番の理由は『鳴り物応援がなくなったこと』です。


トランペット、太鼓、笛、応援のリードといった、応援の代表格ともいえる『鳴り物』。

これが消えたことにより、一般ファンのまとまった応援というのも不可能になり、事実上スタンドから『応援』というものが消えてしまいました。

感染防止の観点でみれば当然の措置なので、やむを得ません。


冒頭にも書きましたが、これにより寂しい思いをしている人も多いかと思います。

鳴り物応援が野球観戦の醍醐味の一つなのは間違いないし、中にはそれを一番の楽しみにしてくれている人もいるくらいなので、元応援団員の僕としても、まったく寂しい限りです。

球場で新たに聞こえるようになった音

一方、鳴り物がなくなったことで、聴くことができるようになった音もあります。

それは、野球本来の音です。

中には、こうした「今までかき消されていた音の良さ」を楽しんでいる人もたくさんいます。


では、鳴り物応援の代わりに聞こえてくる音を紹介します。

ボールがミットに収まる音

ボールをキャッチするときの音です。

打球を捕ったときもそうだし、送球を捕った時もそうです。

プロのプレーはスピードとパワーがあるので、打球も送球もけっこうな威力があります。

それをキャッチする音は、やっぱり相応の迫力が生まれます。


もっとも迫力があるのは、ピッチャーの投球がキャッチャーミットに収まる音です。

そもそも、キャッチャーは投手の気分を良くするなどの理由で、派手な音を鳴らすように捕球します。

テレビの野球中継なんかでブルペンが映し出されたときに聴くことができるので、この迫力を知っている人も多いと思います。


鳴り物応援があったときから、投球がキャッチャーミットに収まったときの音は聴こえていました。

鳴り物がなくなったことで、その音が一層響くようになりました。


投手が振りかぶって、渾身のボールを投げ込む。

糸を引くようにキャッチャーミットに収まり、同時に『ピシャッ』という凄まじい音が響く。

もう、たまらないほどのド迫力です。

音でさらに球威が高まったようにも感じられます。

この迫力満点の音を聞くだけでも、プロ野球のダイナミックさが伝わってきます。

バットでボールを打つ音

バッターがスイングしてボールを捉えた瞬間も、すごく特徴的でいい音がします。

強打者がフルスイングで捉えたときは、『カコン』というものすごいいい響きがします。

これは木製バット特有の音です。

アマチュアは金属バットを使うので、プロ野球だけで聴くことができる音です。

迫力もあり、ちょっと風情もあるような、かなりいい音です。


鳴り物があったときは、僅かにしか聴こえない音でした。

今までこの音を聴けるのは、キャンプとか二軍戦がメインでした。

一軍だと、試合前のフリーバッティングなどで楽しむことができる程度でした。

それが、鳴り物応援無しだと、一軍の試合中でも普通に聴くことができます。

打球がフェンスや壁に当たる音

プロの打者の放った打球は、恐ろしいほどの速いスピードで飛んでいきます。

真芯で捉えたときのライナーの打球速度は、剛腕投手のストレートよりさらに上回ります。

そんな打球がフェンスや壁にぶつかったときの衝撃音も、かなりのインパクトがあります。

あの柔らかそうなラバーフェンスが『ドスン』という鈍い音を立てます。

プロの打球のエグさが聴覚によってわかる瞬間です。


ホームランが外野スタンドに飛び込んでシートなどに着弾したときも、やっぱりド派手な音が響きます。

打球が物にぶつかる音は、鳴り物だけじゃなく大歓声にも消されることも多かったかもしれません。

飛距離や打球速度だけでなく、音からプロの打球のすごさを感じられます。

審判のコール

球審は、打者が見逃したすべての投球に対してストライクかボールかの判定をします。

『ボール』は比較的落ち着いた感じでコールされますが、『ストライク』は大きな声でジャッジされることがほとんどです。


中には、独自のポーズまでついて、それがトレードマークとなって話題になっている審判もいます。

見逃し三振のときも、ポーズとコールは目を引きます。

そんな審判のコールが、鳴り物無しだとひときわ目立つようになりました。

審判のストライクコールで、投手もテンポが乗ってくるのではないかと思えてきます。それくらい、気持ちよくコールが響きます。


審判のジャッジが球場に響き渡ると、それだけ審判の威厳が復活するような気がします。

近年のリクエスト制度が審判の権威を失墜させていると僕は思っていたので、審判の声が響いて存在感が増すことはとてもいいことだと思います。

他に、アウトやセーフなどのジャッジも聴こえてきます。

審判間や、選手とのちょっとしたやり取りも聴こえてきます。

選手が出す声

プレー中、選手もあちこちから声を出しています。

気合を入れるため、打席に向かうときに声を出す打者がいます。

投球と同時に声を上げる投手もいます。

選手間でも頻繁に声を掛け合っています。

捕手が投手に声をかけたり、内外野で守備の連係のために声を掛け合っていたりします。

ベンチからも声が活発に出ています。

指示であったり、ヤジであったり、拍手や声援であったり。ベンチからこんなに声が飛んでいたんだと気づかされます。



2020年には、ベンチから発せられた言葉を皮切りに、両軍が乱闘になりかけた試合がありました。

いつものような派手な鳴り物応援があったら、あの乱闘騒ぎはなかったかもしれません。


グランドやベンチなどあちこちで叱咤激励の声も聞こえます。

叱られている当の選手は恥ずかしいかもしれませんが、ファンにとっては普段はあまり目にできない貴重な光景です。

その他

内野の近い席であれば、投球の音やスイング音も聴こえそうです。


例外的に、ラジオか何かのアナウンサーの実況中継がベンチに聞こえた球場もあるようです。

『キャッチャー外に構えました』なんて実況の声が聞こえたら、バッテリーとしたらたまったものではないですね。

これはちょっとしたハプニングですが、鳴り物がないことで、聴こえなくていい余計な音まで耳に届いてしまうこともあるようです。

まとめ

鳴り物無しによって寂しい思いをする反面、球音を楽しむという別の楽しみができました。


個人的に好きな音は2つあります。

木製バット特有の『カコン』というインパクト音と、打球がラバーフェンスにぶつかる時の『ドスン』という音です。

どちらも、プロの打者の凄みを感じます。

もちろん、投球がキャッチャーミットに収まるときのド派手な音も好きです。

こういう音が聴けるなら、鳴り物無しも悪くないかな、と思ってしまいます。


鳴り物応援が好きな皆さんには我慢のときが続きますが、

たまにはこうした球音を楽しんでみるのも、野球の良さを違う側面から堪能できていいかもしれませんね。


以上、『応援団がいなくても楽しめる?『鳴り物なし』で聞こえる球場の音5つ』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。