近20年で一等強い球団はどこ?【近20年の覇者】パ・リーグ編

2022年1月23日

おはようございます、元応援団員のハルカです。


世の中は、栄枯盛衰です。

プロ野球の球団も例外ではありません。

メンバーは毎年入れ替わるし、ケガや好不調の波もあります。

とうぜん、強いときもあれば弱いときもあります。


『常勝』と言っても、何年ものあいだ勝ち続けているわけではありません。

20年単位くらいのロングスケールで見てみると、多くの球団で『黄金期』と『暗黒時代』が1度ずつは訪れているような感じです。


では、各チームが浮沈を繰り返すなかでも、近20年でもっとも強かった球団はどこなのか?

過去20年を振返り、勝手に2000年代の王者を決定したいと思います。


今回は、パ・リーグ編をやります。

オリックスは、『オリックスブルーウェーブ』と『オリックスバファローズ』を同じ球団としてみています。

スポンサーが変わったソフトバンクや、地名が入った西武なんかも、同じチームとして扱っています。

楽天は2005年に誕生した球団なので、楽天のみ『近17年』の振返りになります。




球団別の戦績

パ・リーグ各球団の近20年の戦績を、球団別に見てみましょう。


福岡ソフトバンクホークス


まずは、福岡ソフトバンクホークスです。

20年間で1547勝、優勝7回、Aクラス17回はすべてパ・リーグでダントツの数字です。

勝利数は12球団でもトップです。

最下位だった年もありますが、ほぼ毎年上位に君臨していて、パ・リーグの主役を張り続けた20年間でした。


圧巻だったのは2011年。

交流戦や日本シリーズを含めてすべてのチームに勝ちこすことで、完全優勝を果たしました。

外野スタンドに翻る応援旗に、『圧倒的な強さを意味する漢字四字』が踊っていて、王者の貫禄がありました。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 2位 73勝65敗2分 王貞治
2003年 優勝 82勝55敗3分 王貞治
2004年 2位 77勝52敗4分 王貞治
2005年 2位 89勝45敗2分 王貞治
2006年 3位 75勝56敗5分 王貞治
2007年 3位 73勝66敗5分 王貞治
2008年 6位 64勝77敗3分 王貞治
2009年 3位 74勝65敗5分 秋山幸二
2010年 優勝 76勝63敗5分 秋山幸二
2011年 優勝 88勝46敗10分 秋山幸二
2012年 3位 67勝65敗12分 秋山幸二
2013年 4位 73勝69敗2分 秋山幸二
2014年 優勝 78勝60敗6分 秋山幸二
2015年 優勝 90勝49敗4分 工藤公康
2016年 2位 83勝54敗6分 工藤公康
2017年 優勝 94勝49敗0分 工藤公康
2018年 2位 82勝60敗1分 工藤公康
2019年 2位 76勝62敗5分 工藤公康
2020年 優勝 73勝42敗5分 工藤公康
2021年 4位 60勝62敗21分 工藤公康


ホークスはFA、外国人選手、ドラフトで抜かりなく補強して、強さを維持し続けています。

チームの核になる中心選手をドラフトで指名し、大物選手に育てています。

育成選手から主力になる選手が多いのも特徴的です。

その傍ら、ドラフトだけでは賄いきれない部分をFAや外国人選手で的確に補強するというイメージです。

チームをうまく強化し続けることで、長期的な強さを維持しています。

監督の就任年数の長さも、適当で理想的です。


埼玉西武ライオンズ

次は、埼玉西武ライオンズです。

20年間で1448勝、優勝5回、Aクラス14回という強さを見せました。

ふつうに考えるとかなり優秀な成績です。でも、さらに20年遡って西武が残してきた戦績と比較してみると、若干弱体化したのかなという物足りなさもあります。

近20年にこれだけ優れた成績を残したにも関わらず弱体化を想起させることに、この球団のかつての凄まじい強さを感じることができます。

(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 優勝 90勝49敗1分 伊原春樹
2003年 2位 77勝61敗2分 伊原春樹
2004年 優勝 74勝58敗1分 伊東勤
2005年 3位 67勝69敗0分 伊東勤
2006年 2位 80勝54敗2分 伊東勤
2007年 5位 66勝76敗2分 伊東勤
2008年 優勝 76勝64敗4分 渡辺久信
2009年 4位 70勝70敗4分 渡辺久信
2010年 2位 78勝65敗1分 渡辺久信
2011年 3位 68勝67敗9分 渡辺久信
2012年 2位 72勝63敗9分 渡辺久信
2013年 2位 74勝66敗4分 渡辺久信
2014年 5位 63勝77敗4分 伊原春樹
2015年 4位 69勝69敗5分 田邊徳雄
2016年 4位 64勝76敗3分 田邊徳雄
2017年 2位 79勝61敗3分 辻発彦
2018年 優勝 88勝53敗2分 辻発彦
2019年 優勝 80勝62敗1分 辻発彦
2020年 3位 58勝58敗4分 辻発彦
2021年 6位 55勝70敗18分 辻発彦


この20年の間に、数えきれないくらいの主力選手がFA宣言で去っていきました。

その人数は12球団トップで、西武だけ群を抜いています。

それでいて、この長期的な強さ。

主力メンバーが抜けても、すぐにまた別のメンバーで強力打線を組んでいます。


ここ10年では3連続Bクラスがあったり、最下位に落ち込んだりはしています。

しかし低迷が長く続かず、またすぐに強さを取り戻せるのが強みです。


北海道日本ハムファイターズ

続いて、北海道日本ハムファイターズです。

20年間で1397勝、優勝5回、Aクラス11回という成績を残しました。

本拠地を東京から北海道に移すなど、大胆で斬新なチャレンジをした20年間でした。

20年間で残した戦績は、その成果の表れと言えそうです。

さらに、北海道から受け入れられたことはもちろん、多くのファンを獲得する全国区の人気球団になったことも、大きな成果だったように思います

(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 5位 61勝76敗3分 大島康徳
2003年 5位 62勝74敗4分 T.ヒルマン
2004年 3位 66勝65敗2分 T.ヒルマン
2005年 5位 62勝71敗3分 T.ヒルマン
2006年 優勝 82勝54敗0分 T.ヒルマン
2007年 優勝 79勝60敗5分 T.ヒルマン
2008年 3位 73勝69敗2分 梨田昌孝
2009年 優勝 82勝60敗2分 梨田昌孝
2010年 4位 74勝67敗3分 梨田昌孝
2011年 2位 72勝65敗7分 梨田昌孝
2012年 優勝 74勝59敗11分 栗山英樹
2013年 6位 64勝78敗2分 栗山英樹
2014年 3位 73勝68敗3分 栗山英樹
2015年 2位 79勝62敗2分 栗山英樹
2016年 優勝 87勝53敗3分 栗山英樹
2017年 5位 60勝83敗0分 栗山英樹
2018年 3位 74勝66敗3分 栗山英樹
2019年 5位 65勝73敗5分 栗山英樹
2020年 5位 53勝62敗5分 栗山英樹
2021年 5位 55勝68敗20分 栗山英樹


ドラフトで『その年のナンバーワン選手を獲る』という方針を出したり、メジャー帰りの新庄剛志選手を獲得したりして、人気と実力を兼ね備えた『スター軍団』を作り上げました。

そうした戦略が奏功し、強く華やかな人気球団になりました。

栗山監督が長く指揮を執っていましたが、2022年から新庄剛志氏が監督に就任することになりました。

ここ数年、チームは低迷ぎみでしたが、また強く明るいスター軍団が復活しそうな雰囲気です。


千葉ロッテマリーンズ

次は、千葉ロッテマリーンズです。

20年間で1345勝、優勝1回、Aクラス8回という戦績でした。

優勝は1回ですが、シーズン3位からCSで勝ち上がったことで、日本シリーズには2回出場しています。

そして、そのどちらも日本一になっています。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 4位 67勝72敗1分 山本功児
2003年 4位 68勝69敗3分 山本功児
2004年 4位 65勝65敗3分 B.バレンタイン
2005年 優勝 84勝49敗3分 B.バレンタイン
2006年 4位 65勝70敗1分 B.バレンタイン
2007年 2位 76勝61敗7分 B.バレンタイン
2008年 4位 73勝70敗1分 B.バレンタイン
2009年 5位 62勝77敗5分 B.バレンタイン
2010年 3位 75勝67敗2分 西村徳文
2011年 6位 54勝79敗11分 西村徳文
2012年 5位 62勝67敗15分 西村徳文
2013年 3位 74勝68敗2分 伊東勤
2014年 4位 66勝76敗2分 伊東勤
2015年 3位 73勝69敗1分 伊東勤
2016年 3位 72勝68敗3分 伊東勤
2017年 6位 54勝87敗2分 伊東勤
2018年 5位 59勝81敗3分 井口資仁
2019年 4位 69勝70敗4分 井口資仁
2020年 2位 60勝57敗3分 井口資仁
2021年 2位 67勝57敗19分 井口資仁


前述したように短期決戦に強く、勝負強いイメージがあります。

特にバレンタイン監督が指揮を執っていたときは、監督の方針や人柄もあってか、ムードが良さそうでした。

ここ一番の土壇場で力を発揮する『お祭り男』のような選手が中心にいて、いつも明るくワクワク楽しいチームでした。

メジャー、韓国、キューバから大物外国人を獲得したときは、球団の積極性にこちらも熱くなりました。

近年は、ドラフトで獲得した有望な高校生選手が台頭し始めるなど、ワクワクさせてくれるのは相変わらずです。


東北楽天ゴールデンイーグルス

次は、東北楽天ゴールデンイーグルスです。

17年間で1081勝、優勝1回、Aクラス5回でした。

2005年に誕生した球団なので、17年分のみ振返ります。

設立当初は、どうしても戦力的に見劣りする部分があって立て続けに最下位に沈みました。

3年目に最下位を脱出すると、5年目にはAクラスに大躍進。

設立から10年経たないうちに優勝までしたのは立派だと思います。

(近17年の順位と勝敗と監督)

2005年 6位 38勝97敗1分 田尾安志
2006年 6位 47勝85敗4分 野村克也
2007年 4位 67勝75敗2分 野村克也
2008年 5位 65勝76敗3分 野村克也
2009年 2位 77勝66敗1分 野村克也
2010年 6位 62勝79敗3分 M.ブラウン
2011年 5位 66勝71敗7分 星野仙一
2012年 4位 67勝67敗10分 星野仙一
2013年 優勝 82勝59敗3分 星野仙一
2014年 6位 64勝80敗0分 星野仙一
2015年 6位 57勝83敗3分 大久保博元
2016年 5位 62勝78敗3分 梨田昌孝
2017年 3位 77勝63敗3分 梨田昌孝
2018年 6位 58勝82敗3分 梨田昌孝
2019年 3位 71勝68敗4分 平石洋介
2020年 4位 55勝57敗8分 三木肇
2021年 3位 66勝62敗15分 石井一久


17年間で監督は9人。ちょっと目まぐるしい感じがします。

1年しか指揮を執らなかった監督が5人もいるので、まあそうなりますかね。

近年は、元西武の選手がやたら集まっているのが目立ちます。GMが元西武ということも関係しているのでしょうか。

他にも、ロッテと総勢7人の選手を入れ替えてみたり、読売と頻繁にトレードしたり、補強とか血の入れ替えに積極的です。


オリックスバファローズ

最後に、オリックスバファローズです。

20年間で1217勝、優勝1回、Aクラス3回という成績でした。


2005年にオリックスブルーウェーブと大阪近鉄バファローズが合併して、現在のチームになりました。

近20年を振返るにあたり、2002~2004年は、オリックスブルーウェーブの成績を見ています。

当時のオリックスは3年間で3人の監督が指揮を執り、その間の平均勝利数が49という暗黒時代でした。

合併後もなかなか強さを取り戻せず。

この20年のうち、最下位だったシーズンが9回あります。

致命的に弱かったわけでもないけど、強くなりかけてはまた低迷するという繰り返しで、ファンもヤキモキしていたようです。


(近20年の順位と勝敗と監督)

2002年 6位 50勝87敗3分 石毛宏典
2003年 6位 48勝88敗4分 石毛宏典、レオン・リー
2004年 6位 49勝82敗2分 伊原春樹
2005年 4位 62勝70敗4分 仰木彬
2006年 5位 52勝81敗3分 中村勝広
2007年 6位 62勝77敗5分 T.コリンズ
2008年 2位 75勝68敗1分 T.コリンズ、大石大二郎
2009年 6位 56勝86敗2分 大石大二郎
2010年 5位 69勝71敗4分 岡田彰布
2011年 4位 69勝68敗7分 岡田彰布
2012年 6位 57勝77敗10分 岡田彰布
2013年 5位 66勝73敗5分 森脇浩司
2014年 2位 80勝62敗2分 森脇浩司
2015年 5位 61勝80敗2分 森脇浩司
2016年 6位 57勝83敗3分 福良淳一
2017年 4位 63勝79敗1分 福良淳一
2018年 4位 65勝73敗5分 福良淳一
2019年 6位 61勝75敗7分 西村徳文
2020年 6位 45勝68敗7分 西村徳文
2021年 優勝 70勝55敗18 中嶋聡


2014年はソフトバンクと最後までもつれながら、結局あと少しだけ及びませんでした。

そのオフに積極的な補強をしますが、打線強化と引き換えに機動力を失ってしまい、前年の良さを消してしまうような形で順位を下げてしまいました。

その後数年間は下位に低迷しますが、FA戦線から一歩引き、ドラフトで有望選手を獲得し続けて着実に力を蓄えていきました。

2021年、そうして獲得してきた選手たちが力を発揮し、またこれらの選手をうまく起用することで、久々にペナントを奪還することができました。




近20年の覇者は

近20年の『順位』と『勝敗』の平均値を出してみました。

(何度も言いますが、楽天は近17年)

ソフトバンク 2.3位  77.4勝  58.1敗  5.3分
西武     2.7位  72.4勝  64.4敗  4.0分
日本ハム   3.3位  69.9勝  66.7敗  4.3分
ロッテ    3.7位  67.3勝  69.0敗  4.6分
楽天     4.4位  63.6勝  73.4敗  4.3分
オリックス  4.8位  60.9勝  75.2敗  4.8分


以上の結果をみて、近20年のパ・リーグの覇者は『ソフトバンクホークス』となりそうです。

ダイエーだった時代から、この20年は圧倒的な強さを見せつけました。

『20勝投手』『松坂世代の先発陣』『三冠王』『100打点カルテット』『トリプル3』など、主力選手の実力は超一流。

メンバーが入れ替わってもまた次のヒーローが現れ、常に王者の道を歩き続けました。


続いて、西武や日本ハムにも強さを感じました。

強い西武、日本ハムにも、不調に終わるシーズンはちらほらありました。

それと比較すると、ソフトバンクは数年に一度しか落ち込みがなく、ほとんど隙のないチームでした。


ロッテ、オリックスは低迷期もありましたが、最近かなり勝てるチームに成長しています。

2021年も、自前の選手を中心にして、最後まで優勝争いを繰り広げました。

今後、数年にわたって強いチームを作れそうな気配があります。


楽天は創設から10年を待たず優勝するなど、着実に力をつけてきました。

FA補強にも積極的で、毎年台風の目になりそうな予感がする、注目度の高いチームになっています。




まとめ

近20年のパ・リーグの成績をもとに、1位から6位まで順番をつけてみました。


冒頭で、『プロ野球は栄枯盛衰』と述べました。

また、『20年もすれば、どこも黄金期や暗黒時代が1度くらいはある』という風に書きました。

その観点で見ると、この20年間、ソフトバンクに暗黒時代はありませんでした。

西武、日本ハムも、数年の落ちこみはあるものの、暗黒と呼べるほどの低迷はありませんでした。


20年にもわたって強さを維持し続けるとは。

前言撤回ですね。

20年間も黄金時代を築けるチームも、存在するようでした。


しかし、それがまた次の20年も続いていくとは限りません。

2021年のペナントレース、じつは、ちょっとした変化が見られました。

お気づきの方もおられるでしょうが、近20年の下位3チームがAクラスになっています。

逆に近20年で上位だったソフトバンク、西武、日本ハムがそろってBクラスに。

低迷ぎみだった3球団の逆襲がスタートしているようです。

パ・リーグはここからまた新しい局面を迎えようとしているのかもしれません。


そういえば、2014年にも『前年のAクラスとBクラスがそろって入れ替わる』ということがありました。

やっぱり野球は栄枯盛衰。

常勝チームの『長期的に強い野球』を観るのも楽しいですが、強さの序列が目まぐるしく変わるのも、違った面白さがあります。


次の20年ではどんな変化が起こっているのか。

それを楽しみにしながら、1年1年を楽しく観戦していきたいと思います。


以上、『近20年で一等強い球団はどこ?【近20年の覇者】パ・リーグ編』でした。

最後までお読みいただきありがとうございました。