プロ野球 応援団の謎に迫る!【元応援団員が大暴露】
おはようございます、元応援団員のハルカです。
プロ野球が好きな方はご存じだと思いますが、球場には「応援団」と呼ばれる人たちがいます。
どこの球場のどの試合でも、必ずいます。
トランペット、太鼓、旗などを使って指揮を取り、ファンの先頭に立って熱い応援を送る人たちです。
応援に人生を捧げているのでは、と思えるほど、じつに熱心な応援ぶりです。
少し前まで、僕もその中の一人でした。
応援団は、とても熱そうで、なんか怖そうで、でもちょっとワクワクする存在でもあります。
応援団に対して、憧れやカッコよさを感じたことがある人もいるのではないでしょうか。
ファンの中には、応援歌を気に入ってくれている人も多いし、中には『応援団のファン』として応援団を応援してくれている人もいるようです。
しかし、応援団は、その実態があまり知られていません。
スタンドでもっとも目立つ存在であるにもかかわらず、秘密が多くて謎に包まれています。
皆さんの中にも、応援団に関してはさまざまな疑問や興味をお持ちの方も多いと思います。
応援団に対する疑問の一部
・応援団って平日でも地方球場でも毎日いるけど仕事しているのか
・球団から報酬とか給料とかもらってるのか
・なんでどの試合も大量に席が確保できるのか
・チケット代はタダなのか
・厳しい掟があるのか
・1球団に複数の応援団があるけど、どうやってまとまっているのか
・全試合参加しないといけないのか
・応援歌っていつ誰が作ってるのか、著作権はどうなっているのか
・怖そうな人がいるけど、どういう人たちがやっているのか
・ちょっとやってみたいけど、自分にもできるのか
など
他にも、応援団に対する疑問や興味は尽きないんじゃないかと思います。
そこで、元応援団員の僕が、みんなが興味津々の応援団の世界を赤裸々に紹介してみたいと思います。
すべての疑問を一つの記事にまとめきれないので、いくつかの記事に分けて書いていきます。
あまり知られていない応援団の実態について、少しでも皆さんの疑問が解決できたら嬉しいです。
「プロ野球の応援団」とは?
まずは、『プロ野球の応援団』について、簡単に説明します。
応援団は、応援の指揮を執る団体
応援団は、球場でファンの先頭に立って熱い応援を送る人たちの集まりです。
みんなの前に立って応援の指揮を執ります。
トランペット、太鼓、笛といった鳴り物を使うのが特徴です。
また、大きな旗を振ったり、横断幕を掲げたりします。
応援団員は、ホームだろうがアウェイだろうが、試合があれば球場にかけつけます。
球場で応援団を見ない試合はありません。
外野席の一部を陣取って、旗を振り、太鼓を叩き、トランペットを吹き、声をからして応援します。勝っているときも負けているときも、つねに全力応援です。
この応援団の仕切りに合わせて、球場のファンは1つの応援としてまとまり、選手たちを盛り上げていきます。
応援歌などの鳴り物応援を楽しむことも、野球観戦の楽しみの一つとして確立されていると言えそうです。
応援団は、鳴り物の使用を許可されている
応援団は、鳴り物の使用が許可されています。
トランペットや太鼓などの鳴り物は、実は勝手に誰でも使用できるものではありません。
日本プロ野球機構に申請し、許可された場合のみ使用が可能になります。
応援団は、構成員や使用する機材、応援スタイルなどをあらかじめ日本プロ野球機構に申請しています。
そのうえで、許可された範囲内で応援活動をしています。
『鳴り物が使える』というのは、応援団と一般客との大きな違いです。
このほか、『ファンを仕切って組織化された応援をすること』や『大きな旗や横断幕を掲げること』なども、応援団のみが許可された行為で、一般客は行うことができません。
応援団は、こうした『特別に許可された行為』を最大限に活かすことで、ファンを取りまとめて大きな応援を行うことができています。
応援団は各球団にある
日本のプロ野球は12球団あります。
それぞれの球団にファンがいるように、それぞれの球団に応援団があります。
どこの応援団も鳴り物を使っていて、球団によって応援歌や応援スタイルに特徴があります。
こうした鳴り物入りの応援は、野球観戦の楽しみの一つでもあります。
さらに、自分のひいき球団だけでなく、他球団の応援の仕方や応援歌に興味をもつ人も多くいます。
オールスターや侍ジャパンなどでは、他球団の応援歌を楽しむ機会があります。
また、YouTubeなどにもいろんな球団の応援風景の動画が溢れています。
こうした機会を利用して、ひいき球団の枠を超えて、いろんなチームの応援歌を楽しむファンも増えてきました。
1つの球団に複数の応援団がある
1つの球団に複数の応援団があります。
複数の応援団同士で協力しながら、同じチームを応援しています。
大きな組織になると、連合の形を取っている団体もあります。
応援団は、組織としてかなりキチッとした形態で運営されています。
それぞれ代表者がいて、副代表、支部長、各パートリーダーなどの幹部がいます。
一つの応援団にだいたい何十人かの団員が所属しています。
応援団員は勝手気ままな行動をとることなく、高度に組織化された活動を展開しています。
応援団はどんな人がやっている?
次に、応援団の顔ぶれを見て行きましょう。
応援団の人たちは、熱量がある
応援団の人たちを見ると、「熱い人」という印象を受けると思います。
球場でトランペットを吹き鳴らし、大きな旗を振り回し、大勢のファンを巻き込んで大声援を生み出すには、相当の熱量が要ることは間違いありません。
同時に「怖そう」というイメージもあるかもしれません。
『應援團』と言えば硬派という感じですし、体育会気質が強そうに見えます。
もちろん、気性が荒い人はいます。
逆に、気が弱い人もいれば陽気で明るい人もいます。
ようするに、いろいろです。
職場や近所に色んな人がいるのと同様、応援団にも色々いて、性格や能力は千差万別です。
応援団イコール怖い人の集まり、というわけではないです。
ただし、応援団は『超体育会系』が基本です。
厳しい上下関係が根強く、根性論もあります。
また、一般ファンの先頭に立つだけあって、エネルギーがないとできません。
さらに言えば、『騒ぐこと』や『目立つこと』が苦手な人はそもそもやりたいとは思わないでしょう。
そういう意味で、『熱い人』『ガッツがある人』など、そもそも資質としては、体育会系またはノリが良いといったエネルギーに溢れる人が集まりやすいという傾向はありそうです。
でも、『熱いイコール乱暴』ではないですからね。
熱い気持ちをしっかり燃焼させて、質の高い応援に昇華させています。
問題のある人物は応援団に入れない
昔の応援団員はヤンチャで血気盛んな人も多く、刺繍の入った法被や、中には特攻服で活動している人も見かけました。喧嘩上等みたいな人もたくさんいました。
応援団同士や一般客との揉めごともあったようです。
そういう危険な部分が、ファンの怖いもの見たさの誘惑を刺激していたのかもしれません。
別の記事でも紹介しますが、現在の応援団は日本プロ野球機構が認めた人物のみが活動できることになっています。
なので、問題があるとみられた人物は、応援団ができないしくみになっています。
当然、揉めごとを起こす人は『問題がある』とみなされるので、許可されなくなってしまいます。
応援団の顔ぶれについては、別の記事で詳しく説明しているので、そちらも参照ください。
応援団は厳しいのか?
応援団は、とても厳しそうに見えると思います。
じっさい、けっこう厳しめです。
決まり事や果たすべき役割が多い
メンバーの上下関係などの人間関係もそうですし、試合観戦約款など規則や決まり事の遵守など、気にすることはたくさんあります。
また、応援という行為も、肉体的にも精神的にもタフでないとできません。
応援すること自体は楽しいしやりがいもありますが、常にファンの先頭に立って熱い応援を送り続けていると、時には苦しいときもあります。
炎天下でトランペットを吹いていたら暑さで倒れそうになるし、雨の中でリードを取るのは集中力が乱れてしまいます。
ボロ負けの試合展開では、正直気持ちが萎えることもあります。
それでも、応援団としてやるべきことを、投げ出さずやり遂げないといけません。
高い応援スキルが求められる
応援の指揮を執る以上、中途半端なことはできません。
応援団員がうまくリードを取れなかったら応援はグダグダになるし、鳴り物の演奏が上手くなかったらファンをガッカリさせてしまいます。
高い応援スキルが求められるので、相応の準備や努力が必要になります。
このように、応援団は制約が多く、おまけに高いクオリティを求められるため、熱意や覚悟が必要になります。
本来、野球観戦は自由で楽しい趣味ですが、『応援団』は娯楽を楽しむような性質の趣味とは言えません。
応援団が厳しい理由については、別の記事で詳しく説明しているので、そちらも参照ください。
応援団員は仕事をしているのか?
今度は、応援団がどのように収入を得ているのかを見て行きます。
応援団も普通の社会人
誰しも、オンとオフの顔を持っています。
サラリーマンも、公務員も、芸能人も、総理大臣だってそうです。
応援団員にも、もちろんオフの顔があります。
仕事があり、家庭があり、ふつうの生活があります。
(社会的に見れば、むしろ応援団の方こそオフの顔ですが)
応援団員もふだんは普通の社会人です。
家庭をもっている人も多いし、もちろん仕事をしている人がほとんどです。
それなりの収入がないと、生活や応援団活動を維持できません。
職業は、会社員、フリーター、経営者、職人など人によって様々です。
なかには学生や高校生もいますし、仕事をリタイヤした人もいます。
大手企業や自治体で正社員として働き、高給を稼いでいる人もたくさんいます。
『球団から金銭をもらっているのか?』『チケット代は無料なのか』などの応援団の金銭事情については、別の記事で詳しく説明しているので、そちらも参照ください。
応援団にはどうやって入るのか?
最後に、応援団への入り方を紹介します。
応援団から入団許可を得る
応援団に入るには、その応援団から入団の許可を受ける必要があります。
まずは、応援団に対して『入りたい』旨を連絡するところから始まります。
チームによっても異なりますが、入団に向けて面談とか審査を受ける場合もあります。
応援団活動は厳しいので、『ルールを守って活動できるか』『厳しい上下関係の中で人間関係を保てるか』『熱意は本物か』などの資質をチェックされるわけです。
日本プロ野球機構から許可を得る
最終的には、日本プロ野球機構という団体に、応援活動をするための許可を申請します。
申請は入団希望者が個人で行うのではなく、代表者が行います。
この申請が受理されれば、応援団員として球場で活動ができるようになります。
応援団への入り方については、別の記事で詳しく説明しているので、そちらも参照ください。
まとめ
どの球場のどの試合にも、応援団は必ずスタンドにいます
どんな試合展開でも、試合が終了する瞬間までファンの先頭に立って熱い応援を送っています。
人間関係は濃厚で、規約や決まり事は厳しく定められ、コアなファンからは高い完成度の応援を求められる。
そして、球場から一歩離れれば、ふだんはどこにでもいる社会人として普通に日常生活を暮らす。
こうした制約や過酷な条件のなか、応援団員たちは活動をしています。
色んな顔ぶれの人たちがいますが、共通して言えるのは『外野スタンドで思い切り応援するのがとにかく好き』ということです。
この思いに共感できるなと思った人は、応援団の資質があると思います。
興味があったら、ぜひ応援団の世界をのぞいて、深入りしてみてください。
きっと厳しくも楽しい世界が待っています。
これからも、応援団に関する記事をいろいろと載せてみたいと思っています。
興味があったら、覗いてみてください。
以上、『プロ野球 私設応援団の謎に迫る!【元応援団員が大暴露】』でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。