野球を仕事にしたい! 野球に関わる29の業種となり方を解説

おはようございます、元応援団員のハルカです。


『プロ野球に携わる仕事に就きたい』

野球ファンの中には、そのように考えている人もいると思います。

・競技経験を活かしたい
・好きな球団の一員になりたい
・野球界を盛り上げたい、貢献したい
・ビジネスとして野球という市場に魅力を感じる

など、理由は様々だと思います。


実際に試合をするのは選手ですが、

プロ野球の運営には実に多くの人々がいろんな側面から携わっています。

競技経験者ではない人も、もちろん大勢います。


では、野球に携わる仕事には、どういうものがあるでしょうか。



チームの一員になる

日本のプロ野球は12球団あります。

いずれかの球団に所属してチームの一員になることが、もっともプロ野球に携わる仕事と言えそうです。


ちなみに、『選手』を目指している方に対しては、このページで僕からアドバイスできることはないです。

『監督』『コーチ』も元プロ野球選手が務めることがほとんどなので、同様です。

『打撃投手』『ブルペン捕手』なども同じで、実際にグランドで身体を動かす必要のある仕事は、外部から介入する余地はほとんどないです。


では、選手、監督、コーチ以外では、球団にはどのような職種があるでしょうか。

通訳

どこの球団にも、外国人選手が所属しています。

使用言語も英語、スペイン語、韓国語など多岐にわたります。

仕事柄、野球の専門用語や野球に関する知識は必要です。

現場だけでなく、選手の家族も含めて日常生活をお世話することも多いようです。

通訳だけにとどまらず、練習のパートナーになったりすることもあります。

このため、野球経験は必須とは言えないものの、競技経験者が優遇されているようです。

スコアラー

スコアラーは、ライバル球団に張り付いて情報を探ったり、データの中から有益な傾向を分析したりする仕事です。

球団によって、人数にばらつきがあります。

技術的な視点が求められるため、競技経験者、それも元プロ野球選手が多いです。

トレーナー

トレーナーは、選手の身体をケアしてサポートする仕事です。野球未経験も多く見られます。

マッサージ、トレーニングのメニュー作り、テーピング、アイシング、選手の動きのチェック、応急処置など、試合前から試合後まで役割は多いです。

選手が痛める部位は肩、肘、腰など身体中のあちこちです。

整体の資格もあれば、なお良さそうです。


中には、個人でトレーナーと契約している選手もいます。

同様に、管理栄養士と契約している選手もいるそうです。

スカウト

アマチュア球界から、有望な選手を発掘するのが仕事です。

球団ごとに人数はバラバラですが、だいたい10人前後という感じです。


アマチュアの試合を観るのはもちろん、練習を観たり指導者や本人と話をしたりして、あらゆる角度から選手を観察します。

有望選手のリストアップに漏れがないよう、地域ごとの担当制を敷いているチームが多いです。


ドラフト会議に向けた編成会議では、どの選手をどの順番に指名するかなど綿密な計画を立てます。

自チームの編成事情はもちろん、他球団の分析も必要になります。


ドラフト後は、指名選手と入団交渉します。

入団後は、選手の相談に乗るなど事後のケアも重要な仕事です。


技術的な視点やアマチュア球界とのパイプが必要なので、元プロ野球選手が務めることが多いです。

一方、アマチュア界で指導者だった人が、その経歴を活かして転身する場合もあります。

球団職員

球団職員は、球団の運営に携わります。

企画広報、マーケティング、営業など、実に様々な業務内容があります。


イベント企画やグッズ販売などは、野球に携わっている感が強い業務と言えそうです。

ファンを直接相手にできるし、結果が数字に表れるのでやりがいもあります。

イベントやグッズ以外でもポスター、動画、広告などあらゆる広報物をクリエイトしたり、マスコミ対応を行ったりします。

ファンに見えないところでの仕事としては、スケジュール管理や遠征の手配などのマネジメント業務、スポンサー集めなどがあります。


マスコットキャラクター、チア、場内アナウンスのウグイス嬢やDJも球団スタッフです。

チームによってはホームランガールもいます。

表には出ないけど、選手寮の運営なんかもあります。


もちろん、球団職員が配属されるのは、花形の部門だけではありません。

総務や経理など、組織運営に必要なセクションもあります。


時々募集がありますが、人気の仕事なので、求人が出るとすぐに応募が殺到しています。

用具スタッフ

用具スタッフは、選手やスタッフの用具の輸送、管理をする仕事です。

チームのスケジュールに合わせた用具の準備をします。

また、選手から要望があれば、調整をするとか各メーカーの担当者に選手の要望を伝えるなどの役割があります。

選手は道具にこだわりを持っているし、消耗品も多いので管理は大変です。

野球は多くの用具を必要とするスポーツなので、用具スタッフはチームに欠かせない存在です。

練習中には選手の補助をすることもあるようなので、経験者が望まれそうです。

グランドキーパー

グラウンドキーパーは、球場の整備を行う仕事です。

球場によって、人工芝だったり天然芝だったり、あるいは両方が混在していたりします。

屋外球場であれば、天気も考慮する必要があります。

球団で部門を設けて担当するチームあれば、業者に外注するチームもあります。

グラウンド状態は選手のパフォーマンスに影響を及ぼすため、専門性と責任感が要求されます。

球場の清掃員

日々使用される球場は、当然清掃や整備が必要です。

スタンド、グランド、ベンチ、バックヤードからトイレに至るまで、清掃が欠かせません。

多くは外注なので、清掃業者などに就職すれば球場の清掃に携わる機会も得られるかもしれません。



プロ野球全体に携わる

特定の球団ではなく、プロ野球全体に携わる仕事があります。

試合を組んだり運営したりするのが主な仕事です。

審判

審判は、野球規則に基づいて試合を進行させるのが仕事です。


球審が1人、塁審が3人で、合計4人の審判がいます。

予備の審判も含めて5人で1カードを担当します。

日本のプロ野球の審判は難易度が高いそうです。

NPBアンパイア・スクールを卒業後、試験を経て採用の運びになるそうです。

2軍で実務を経験し、実力がついたのちに1軍の試合を担当するようです。


元プロ野球選手もいれば、そうでない人もいます。

審判は見ていてもわかるとおり、かなりの激務です。

両チームの裏表を合わせると、18回もの攻防をジャッジしないといけません。

降雨や炎天下などの厳しい環境下で試合が行われる場合もあります。

誤審とあれば相手から猛烈なクレームを受けるうえ、リクエストという残酷な制度もできました。

当然、批判にさらされるし、誹謗中傷も受けます。

審判は1年ごとに契約される個人事業主のようです。

公式記録員

試合で記録をとる仕事をします。

公式記録員はコミッショナーに任命され、公認野球規則に基づいて業務を行います。

試合のプレーに対して、審判のジャッジに基づいて公式記録を決定します。

例えば、打者が内野ゴロを打って、審判が一塁でセーフのジャッジをしたとき、それが安打なのか、失策なのか、野選なのかという記録を決定する権限があるということです。

日本プロ野球機構との雇用契約になるようで、原則は終身雇用だそうです。

一般社団法人日本野球機構の社員

日本プロ野球機構は、日本のプロ野球全体を統括する組織です。

公式戦、オールスターやドラフト会議などの運営をします。

総合職として入社すれば、当然総務、人事労務、経理などの部門への配属もあります。

採用がない年もありますが、ここ数年は2名程度ずつ採用されているようです。



選手と密接に関わる

球団関係者ではなく、外の世界から選手と密接に関わる仕事があります。

球団を通して仕事をする場合もあれば、選手と個別に契約を交わしている場合があります。

整体師

整体師は、関節や骨格などのゆがみを施術によって矯正する仕事です。

スポーツ選手は身体のどこかに不調や不安を抱えていますし、野球選手は野球肩、野球肘と呼ばれる野球特有の故障を抱えている選手も多く存在します。

整体師として、野球選手の身体をケアすることができます。

球団によって、かかりつけの整体院もあります。

理学療法士

理学療法士は、医学的リハビリテーションの専門職です。

ケガした選手の運動能力の回復や維持、あるいは悪化防止などをサポートします。

理学療法士になるには国家資格が必要で、勤務先は病院やクリニックなどが中心ですが、プロスポーツのチームに属している理学療法士もいます。


プロ野球の魅力を世の中に広める

プロ野球の魅力を世の中に伝える仕事があります。

画像、動画、記事などコンテンツは様々です。

こうした仕事も、野球と大きくかかわっていると言えます。

仕事を通じて選手や球団との深いかかわりができることもあります。

元競技者である必要はないけど、野球への深い造詣が求められます。

マスコミ・メディア関係

試合の放映、野球雑誌の刊行など野球をメインとしたものから、ビジネスやバラエティーなどのシーン、さらにはCMや観光大使のように選手を人気キャラクターとして扱うものもあります。

マスコミ、メディア関係では様々な業務内容の人が野球に携わります。

そのうち、テレビの野球中継で見かける野球解説者とか、新聞や雑誌に連載されるコラムなどは、元プロ野球選手の稼ぎ口となっているので、外部から介入する余地はないようです。

データアナリスト

データアナリストは、データ分析の専門家です。

プロ野球のあらゆる成績を収集して、その情報を分析、解析します。

僕は野球を数字として見ることが大好きなので、楽しさと希望の詰まった仕事だなと思っています。

アナリストが分析した結果は、ファンに公開して楽しませることもあれば、チームに予測や改善の提案といった商材として提供される場合もあります。

スポーツカメラマン

スポーツカメラマンは、主に試合や練習で選手がプレーする様子を撮影するのが仕事です。

選手が躍動する様子や臨場感あふれる写真を撮ることによって、ファンを楽しませたり、野球の人気を向上させることにつながります。

新聞社などに所属する場合と、フリーランスのカメラマンがいます。


選手の動きを追い、一瞬のシャッターチャンスを的確に捉えて撮影する技術が要ります。

「打つポイントが遅れている」など、熟練カメラマンから不振を打破するヒントを選手がもらうこともあるそうです。

それほどまでに高度な「目」をもっているようです。

重い機材を操ったり、それらを抱えて移動したりするので、かなりの体力が必要です。

スポーツライター

スポーツライターは、野球の記事を書くのが仕事です。

カメラマン同様、広報媒体に所属する場合と、フリーランスのライターがいます。


試合や練習を取材して、チーム、関係者、試合、野球界全体など、様々なテーマや視点から野球についての記事を書きます。

文章力、コミュニケーション能力といったスキルが必要です。


これもカメラマン同様ですが、ライターの記事によって、読み手を楽しませたり、野球の人気を向上させることにつながります。



何らかの形で野球に携わる

直接野球を対象とした仕事をする以外でも、ビジネスで野球界と携わることはできます。

たとえば業者として球団から仕事を受注する、球団とコラボして商品を開発する、などが挙げられます。

運輸業

キャンプから試合に至るまで、どのチームも日本中を頻繁に移動します。

移動するのは選手たちだけではありません。

スコアラーやスカウトも自チームとは独立した動き方で、やはり日本中を奔走しています。

これに伴い、旅行会社、ホテル業界、航空、鉄道、バスなど運輸業の会社が球団に携わります。

スポーツ用品関係

野球は、様々な器具や備品を必要とします。

用具は個人のものもあれば、全員で共有するものもあります。

高額な解析器具なども取りそろえられています。

これらに関わるスポーツ用品のメーカー、スポーツ用品店からクリーニング店まで、野球との関連があります。

スポーツトレーナー

個別にスポーツジムやインストラクターと契約してトレーニングしている選手は多くいます。

野球の技術面というより、フィジカルの強化や身体のケアを求めているケースがほとんどのようです。

こうしたジムやトレーナーは、野球選手との繋がりを持てます。

同様にマッサージ師や医療関係者も携わる機会があります。

クリエイター

球団が広報用の映像や音楽を製作するにあたり、専門の業者や個人のクリエイターに外注する場合があります。球団や選手の良さをアピールし、ブランド力を高めます。

他方面では、球団名や選手名を使用した野球ゲームのソフト開発、販売も、野球界と関わった仕事の一つです。

建設業

球場の施工や保守では、施工管理や設備工事の業者に依頼があります。

新球場の設立などは滅多にある仕事ではありませんが、既存の球場の保守メンテナンスは日常的です。

こうした方面からも野球と繋がりをもてます。

イベント会社

球団のイベントで、プロモーションの一部を外部委託することもあります。

イベント会社にとどまらず、通信業界、印刷業界など様々な分野の企業が携わることがあります。

エージェント

専属マネージャーはほとんど聞きませんが、契約更改の代理人はだいぶ浸透してきました。

また、ポスティングなどでメジャー移籍する際も、代理人の存在は欠かせないようです。


未確認ではありますが、どこの球団も顧問弁護士と契約していることが想像できます。

コンプライアンスの部分から、球団に携わることも可能です。

スポンサー

球場にはいろんな企業の広告で溢れています。

選手のユニフォームやヘルメットにすら、広告が貼ってあります。

このように、企業の立場から、スポンサーとして球団と関わることもあります。

大手企業、地元の有力企業などが多いです。

コラボ

球団は、野球界以外の団体や個人などとコラボすることがよくあります。

警察、自治体、企業、タレント、ミュージシャン、アニメキャラ、他種目のスポーツ選手など、コラボの相手は様々です。

グッズ開発でタイアップすることもあるし、共同イベントをすることもあります。

YouTuberとタイアップもそのうち日常的光景になりそうです。

このようにして球団と関わる方法もあります。

ショップスタッフ

球場にはグッズショップや飲食店などがあります。

業務内容は一般的な販売スタッフと変わりありませんが、攻守交替など特定のタイミングでお客さんが一斉に押し寄せることが多く、波があります。

野球に関するアルバイト

球場の運営には、アルバイトスタッフが欠かせません。

スタンドでビール等を売る売り子、チケットの販売や切符きり、球場内外の誘導や交通整理、警備を担当するガードマンなどがあります。

ボールボーイなどは、グランドに入ることもできます。ファールボールの処理や用具の引き上げなどでは選手と接触することもあります。


僕も高校生、大学生の頃は野球場でアルバイトをしたことがあります。

やったのは売り子と切符きりです。

試合はほとんど見られませんが、球場の雰囲気を味わいながら仕事ができることから、楽しみでした。

応援団

もし、野球に関する仕事と聞いて『応援団』を思い浮かべた方がおられたら、残念なお知らせをお伝えせねばなりません。

応援団は、仕事ではなくボランティアだからです。

僕は応援団員として粉骨砕身、ときには本業の仕事よりも力を入れて頑張ってきましたが、残念ながらお給料や手当てを頂いたことは一度もありません。


まあ一部の例外はあるようですが、それを説明するのは大変なので、ここでは『応援団は稼業ではない』とだけ言っておきます。


まとめ

プロ野球に関わる仕事、ビジネスには、様々なものがあります。

選手になってプレーする人はほんの一握りの野球エリートだけですが、それ以外の膨大な数の人たちが関わって、プロ野球は成り立っています。


もしプロ野球関連の仕事に就きたいと思っている人は、

自分に合った仕事を見つけてトライしてみてください。


好きなことを仕事にできるのは幸せなことです。

プロ野球界のますますの発展のために、活躍を応援しています。


以上、『野球を仕事にしたい! 野球に関わる29の業種となり方を解説』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。