ゴロゴーとは? 概要とメリット・デメリットを解説

2022年2月24日

おはようございます、元応援団員のハルカです。


『ゴロゴー』という野球用語ご存知でしょうか?


ゴロゴーは、その名の通り『ゴロが転がったら進め!』という意味です。

「え、当たり前では?」と思いますよね。


この野球用語は、別の記事『野球通に見えるフレーズ12選! これさえ知ればすぐに通の仲間入り』でも少し解説しました。

そのときはざっとした解説だったので、ここでもう少し詳しく説明してみたいと思います。

具体的に、ゴロゴーの意味やメリット、デメリットをご紹介してみます。

初心者の方は『ゴロゴー』の概念や使い方をマスターして、野球中級者以上に進んでしまいましょう!





フォースアウトとは

まず、ゴロゴーを説明する前に知っておいて欲しいことがあります。

それが『フォースアウト』の概念です。


バッターは、打ったら一塁に走らないと行けません。

これを怠ると、打球が外野の間を抜けようがフェンスに直撃しようが、打者走者より先に一塁にボールが送られたらアウトになります。


同様に、一塁ランナーは二塁に走らなくてはいけませんし、満塁ならすべての走者は次の塁に進まなければいけません。

次の塁に到達する前にボールが転送されたら、アウトになります。

これは『フォースプレー』と言います。フォースは強制という意味があります。

内野ゴロ併殺がタッチプレーなしに成立するのは、フォースプレーだからです。


一方、一塁が空いていて三塁にポツンとランナーがいる場合はどうでしょう。

この三塁ランナーは、打球が転がったからといって、必ずしも進む必要はありません。そのまま三塁ベースにとどまることも可能です。

通常、無死三塁のような場面では、三塁ランナーは打球の方向や強弱によって進むかとどまるかを判断します。


・投手、一塁手、三塁手の正面への速いゴロの場合
いったんその場にとどまります。
打球が外野に抜けたら、それを確認してからスタートします。
野手が捕球したら、帰塁します。

・二塁手や遊撃手への高いバウンドや緩いゴロの場合
一気に本塁に突入します。
ただし、相手がバックホーム体制を敷いているときは難しい判断になります。


これは一例です。

この作戦を使うかどうかの判断材料はいくつかあります。

点差、イニング、打順、相手の守備隊形、ランナーの走塁技術や相手の守備陣の顔ぶれによって、状況に応じた判断がくだされます。





ゴロゴーとは

さて、ゴロゴーの説明に入ります。


今、『無死三塁では打球の強弱や方向によって三塁ランナーは進むか戻るかを判断する』と言いました。

これに対して『ゴロゴー』というのは、ゴロが転がったら必ず本塁に突入するというやり方です。

三塁ランナーの選択肢から「三塁にとどまる」が消えます。

三塁手正面の強烈な当たりだろうが、ゴロだったらもうとにかくGoします。


守備側もそれを事前に承知いることが多く、双方にプレッシャーがかかる緊迫したシーンになります。

だいたい1点を争うような終盤のシビアな場面が多いので、手に汗握る見ごたえ抜群のプレーになると思います。





ゴロゴーのメリット

どんなゴロでも突っ込めというと、一見無謀な作戦にも見えます。

しかし、攻撃側に有利な側面もあります。

三塁走者にとっては、打球判断をしなくていい分、より早いスタートが切れます。

また、後から判断ミスを問われることもないので、思い切りの良さが生まれます。


逆に、守備側はプレッシャーが増します。ファンブルも許されないし、送球が逸れるのも命取りになります。タッチプレーなので、アウトのタイミングでもかいくぐられる恐れもあります。

最近はコリジョンルールによって、本塁上での守備の負担は増えました。


あくまで一般論ですが、無死または1死で一、三塁(または二、三塁)のときはゴロゴーの可能性が極めて高くなります。

逆に無死三塁の場面でやみくもに突っ込むことはあまりありません。





ゴロゴーのデメリット

ゴロゴーのデメリットは、やはり無謀さがある点です。


投手、一塁手、三塁手への強烈なゴロで飛び出してしまったら、多少良いスタートを切ったくらいではなかなか生還できません。

アウトになる可能性が高い打球でもみすみす進塁してしまうことになるのは、デメリットと言えそうです。


また、ゴロゴーに近い『ギャンブルスタート』のように、転がったことも確認せずにスタートを切る作戦もあります。

こちらは、フライやライナーで飛び出す可能性もあるし、牽制で刺される危険も高まります。





ゴロゴーと勘違いしそうなシチュエーションは

塁が埋まっているときはゴロゴーではありません。

満塁の場面で三塁走者が突っ込むのは単なるフォースプレーであって、ベンチの指示や作戦ではありません。

これを間違えると、ちょっと恥ずかしい思いをします。


ゴロゴーは、『本来は進塁するかとどまるかの選択肢がある走者に対し、進塁一択を選ばせる』と思っておいて間違いないです。





まとめ

ゴロゴーは、僕としては個人的に好みの戦術です。

勝敗を分けるような場面で使われることが多く、好守どちらの立場から見てもワクワクする場面で見られます。

コリジョンルールの制定によって、ランナーが突っ込みやすくなっているので、昔よりさらにこうした作戦は頻繁に見られるようになったと思います。


ゴロゴーは、戦術としては単純ですが、初心者にとってはフォースプレーを理解しているかどうかで、味わえる醍醐味が減少してしまいます。


野球のルールで初心者の壁になるのが『フォースプレー』の概念です。

一見複雑そうに見えるけど、この『フォースプレー』を理解していないと、『内野ゴロ併殺』『インフィールドフライ』『振り逃げ』などの多くのプレーも理解できなくなります。

『フォースプレー』が理解できるようになれば野球はさらに楽しくなるので、これを覚えてゴロゴーのわくわく感を楽しみましょう。


以上、『ゴロゴーとは? 概要とメリット・デメリットを解説』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。