フルカウントのなり方は何通り? 組み合わせ数と計算方法を解説

おはようございます、元応援団員のハルカです。


野球に、『フルカウント』ってありますね。

3ボール、2ストライクの状態を指します。

打者が打席に入ったときのカウントは0-0からスタートします。

そこからストライクとボールを何球かずつ重ねながら、フルカウントになったわけです。


ではここで質問です。

『フルカウントのなり方』がいくつあるか、ご存じですか?


これは、野球ではなく数学の問題ですね。

じっくり考えれば解法が思い浮かびますが、急に聞かれると案外即答できない方も多いと思います。

僕も不意打ちされると非常に危ないです。


同じように、野球には『なり方』や『組み合わせ数』が複数あるものがあります。


たとえば『ボールカウント』。

全部で何種類あるか、ご存じですか?

先ほど挙げた『フルカウント』もあれば、『0-2』とか『3-0』という状態があります。

1球も投げる前であれば『0-0』の状態です。

このように、『ボールカウント』は、全部で何種類あるのでしょうか。


このほか、『ランナーの数』も複数パターンあります。

『8対7というスコアのなり方』は数多くの組み合わせ数がありそうです。


今回は、こうした組み合わせの実数を示すとともに、その解法も解説してみたいと思います。

計算機アプリを起動のうえ、お読みください。




フルカウントのなり方

フルカウントのなり方は、全部でいくつあるでしょう。

答えは、10通りです。


もっともシンプルな解法としては、二項係数『nCr』を使うとわかりやすいと思います。


フルカウントになるには、ボール球3つ、ストライク2つの5球が必要になります。

全投球5球のうち、ストライクがどこかに2つ挟まっているわけです。

『1球目と2球目がストライク』かもしれませんし『3球目と5球目がストライク』の場合もあります。

そこで、『nCr』に当てはめるわけです。


全投球=5 ストライク=2

であれば、演算式は 『 5C2 = 10 』 となります。


あるいは、全投球5のうちのボール球3つを数えてもよいです。

この場合は、5C3となり、やっぱり答えは10となります。


『2ストライク後のファール』の扱い

ちなみに、『2ストライク後のファールがあるから6球以上投げることだってあるだろう』という意見があると思います。

じっさいの野球では、フルカウントまでに6球以上投げている可能性もかなり高めだと思います。


『2ストライク後のファール』を扱うかどうかは、2パターンあります。



パターン1 『2ストライク後のファール』を考慮する

2ストライク後のファールは、フライやライナーで捕球されない限り、何度でも打ち続けることができます。

理論上は無限大ということになるので、何らかの条件を追加しないと、計算できません。

たとえば『10球投げてフルカウントになる組み合わせ数』などの条件を追加すれば、解を求めることができます。

その場合は、全投球10のうち、ボール球が3つと数えると良さそうです。

答えは10C3で120通りです。


パターン2 『2ストライク後のファール』を無視する

2ストライク後のファールは何球打ってもカウントが変化しません。

カウントが変化しないということは、組み合わせ数に影響を及ぼさないということです。

ということは、計算する際に考慮する必要もありません。



パターン1とパターン2の使い分けは、『求めたいものが何か』によります。

配球やデータを取るなどで活用するためならパターン1が有効ですし、あくまでカウントの組み合わせ数だけを数えるのであればパターン2を使います。




ボールカウントの数

ボールカウントは、全部でいくつあるでしょう。

答えは12種類です。


ボールカウントは『0-0』から始まり『3-2(フルカウント)』まであります。


もっともシンプルな解法としては、四則演算の『乗法』で求められます。


ストライクのカウントは、0~2の3種類あります。

(ノーストライク、ワンストライク、ツーストライク)

そのそれぞれの状況で、ボールカウントが0~3の4種類存在します。


これを掛け合わせて、3×4で求められます。





走者の数

走者の組み合わせは、全部でいくつあるでしょう。

答えは8通りです。


もっともシンプルな解法としては、これも四則演算の『乗法』で求められます。


走者の組み合わせは『走者なし』『一、三塁』『満塁』などがあります。

ここで一塁に目を向けてみると、一塁走者は『いる』か『いない』かの2種類です。

同様に、二塁も2種類、三塁も2種類です。

それぞれ独立した事象なので、掛け合わせることで組み合わせ数を求めることができます。


こうして、2×2×2で解が得られます。




8対7のなり方

『8対7』というスコアは『野球でもっとも面白いスコア』と言われていて、ルーズベルトゲームと呼ばれています。


ルーズベルトゲームのスコアになる組み合わせは、全部でいくつあるでしょう。

答えは6435通りです。

(7対8のスコアも含めれば、2倍の12670通りになります。)

8対0から追い上げられることもあれば、シーソーゲームになることもあれば、1点勝ち越してはまた追いつかれるという繰り返しもあります。

これだけ得点が入ると、組み合わせ数も膨大になりますね。


計算方法は、『フルカウントのなり方』と同様に、二項係数『nCr』を使います。


8得点と7失点、双方あわせて15点が入っています。

どちらかが1点ずつ得点を積み重ねていくと考えたとき、トータル15点のうち、どのタイミングで8得点が入るかを考えることで、組み合わせ数を求めます。


演算式は15C8となり、6435通りという解が得られます。

7得点8失点というスコアも数えるのであれば、組み合わせ数は2倍の12670通りになります。


ちなみに、2点タイムリーや3ランホームランなど、一打で一挙に複数点が入ることがあります。

しかしその場合も、厳密には走者は一人ずつ順番に還っているわけなので、あくまで得点が1点ずつ入るという考え方は成り立つはずです。




まとめ

ずいぶん前のことですが

『2死満塁で〇〇選手(強打者)を打席に迎えてフルカウントになったら、何を投げますか?』

と尋ねられた投手がいました。

質問者の意図としては、いちばん自信のある球種を答えるよう誘導したのだと思います。

ところが、その投手の答えはこうでした。

どうやってフルカウントになったかによります


これを聞いたとき、まだ子供だった僕は『プロって考え方すげーな』と感心したものです。


この投手が言う『どうやって』は、今回の記事のような『フルカウントになる組み合わせ数』だけを指したものではないでしょう。

おそらく、フルカウントに至るまでの配球(球種やコース)はもちろん、打者の反応がどうだったかとかも含めているので、もっと複雑な考え方をしているのだろうと思います。


しかし、この投手の発言が、『同じフルカウントでも、どうやってフルカウントになったのかは数パターンある』とか『カウントには何種類あるのだろう』という発想に気づかせてくれました。


こうして数学的に考えて組み合わせ数を数えてみるのも、また違った視点から野球を観られて、なんだか新鮮な気持ちがします。

こうやって考え方の幅を拡げることで、また新しい視点が生まれてくるかもしれませんね。


以上、『フルカウントのなり方は何通り? 組み合わせ数と計算方法を解説』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。