プロ野球の球団数はエクスパンションで増えるのか?

おはようございます、元応援団員のハルカです。


現在、プロ野球は2リーグ12球団で運営されています。

これに対して『さらに球団数を増やしてはどうか』という声が、以前からところどころで巻き起こっていました。

近年ではソフトバンクの王貞治会長が「野球界のためには、球団数は現在の12よりも16が望ましい」とメッセージを出しました。

さすがに王会長の発言は影響力があったようで、何らかの動きがみられてもおかしくない状況になりました。


実際、球団を増やすとなると簡単にいかないことくらいは素人の僕でもわかります。


しかし、球団数が増えるという構想には、大きな魅力を感じます。

元応援団員としても、いち野球ファンとしても、とてもワクワクします。


そこで、素人の僕なりに、『球団数が増えることのメリットとデメリット』、『球団が増えることで変わること』、そして『増やすとしたらどこの地域がいいか』なんてことを想像しながら書いてみます。





球団が増えるメリット

まずは、球団の数が増えるメリットを洗い出してみましょう。


ファン層を拡大できる

プロ野球チームがある地域とない地域では、どうしても野球への関心度合いが異なります。

自分が住んでいる地域に野球チームがない場合、日常的に試合を観戦する機会もないわけで、しぜん関心は薄れます。

当該地域の野球人口や競技者のレベルにも影響があるかもしれません。


言うまでもなく、自分の街にプロ野球球団があって球場があって試合が定常的に開催されていれば、観る機会も増えれば話題にすることも増えます。

当然、街は球団を無視できないし、球団を中心とした文化やビジネスが展開され、多くの人を巻き込むことが期待できます。


このように地元に球団ができることで、一気にファン層を拡大して、ひいてはプロ野球全体の関心度を高めることもできます。


経済の活性化に繋がる

プロ野球チームの本拠地になれば、経済は活性化します。

試合のたびにファンが球場に訪れます。

県外からの流入も多数見込めます。

そうすると宿泊、飲食店、観光業界など、地元にお金を落ちることになります。

地元企業は球団とタイアップして新たな事業に発展させられます。

雇用も生まれるし、地域に大きな恩恵をもたらすことができます。


選手に活躍の場が生まれる

1チームが登録できる選手の上限は70人です。

チームが増えれば、当然選手も増えます。

もし4球団増えれば、プロ野球選手の枠が280人分増えることになります。


まだ力があるのに泣く泣くユニフォームを脱いでいた選手がトライアウトなどで生き残る可能性も増えるし、ドラフトで惜しくも指名漏れしていたアマチュア選手がプロ入りできる可能性も増えます。

そうした選手が、いずれ日本を代表する選手になるとか、球史に残る名場面を演出することも充分に考えられます。


クライマックスシリーズが見直せる

現行のクライマックスシリーズが批判される理由の一つが、『対象球団が多すぎる』という点です。

12球団中半分の6球団が係っているのは、確かに多すぎます。

4球団増えるとどういうリーグ編成になるのかはわかりませんが、クライマックスシリーズや日本シリーズのあり方も検討したうえでのリーグ編成になるのは間違いないと思います。

今よりもみんなが納得する形のクライマックスシリーズが組まれるのではという期待が高まります。


遠征先が増える

応援団をやっていた僕には、『遠征』が野球の醍醐味の一つです。

一般ファンの皆さんの中にも、遠征を楽しみにされている方は多いと思います。

4球団増えるということは、遠征先がさらに4か所も増えるということです。

王会長の提案の趣旨からすれば、すでに球団がある地域に2つ目3つ目の球団が誕生するとは考えにくく、プロ野球球団の処女地が4つ選定されそうな雰囲気です。


応援団の立場だと、逆に言えば『誰かが試合に必ず行かなくてはいけない』ので、同時に負担であるという考え方もあるけど、それでも新しい地への遠征にはワクワクしかありません。

『初めて行く球場』というのも魅力を感じます。


新しい応援歌や応援スタイルが生まれる

完全に応援団目線です。野球の本質とは関係ないです。

しかし、応援団員にとっては外せない項目です。


球団ができれば、『球団歌』、『選手個人の応援歌』『チャンステーマ』などが生まれます。

それが定着してくれば、今度はだんだん他球団の応援とは違う独特な応援が派生していくことと思います。

色んな応援歌や応援スタイルが生まれることはファンの楽しみの一つだし、応援団全体がよりよい方向に向かっていけると思います。





球団が増えるデメリット

次に、球団が増えることのデメリットを探ってみましょう。


全体のレベルが下がる

選手の数が増えるということは、失礼な言い方をすれば『従前は野球選手になれなかったレベルのアマチュア選手がプロになる』ということなので、レベル低下を懸念する声は理解できます。

しかし、4球団増えることで実際レベルが落ちるかといえば、正直言って懐疑的です。

さすがに100球団くらい増やせばレベルは低下するでしょうけど、4球団増えるだけでそんなにレベルが落ちるかと言うと疑問に感じます。

むしろ、育成選手から頭角を現したホークスの数選手のように、埋もれていた人材が次々と発掘される機会となり、メリットの方が多いのではと思います。

たぶん4球団くらいの増加だったら、全体のレベルが下がるどころかむしろメリットとして作用しそうな気がします。


優勝の可能性が減る

ライバルが増えるということは、自分が応援するチームが優勝する可能性が減るということです。

日本一になる確率を単純計算すると、16球団に増えた場合、12球団のときの75%に減ります。(12分の1 → 16分の1)

しかし、メリットのスケールの大きさに比べたら、あまりに小さい話だとは思います。

それに、リーグの形態によっては、リーグ優勝の可能性は高くなるかもしれません。

(例:6球団ずつの2リーグだと、リーグ優勝の可能性は6分の1 → 4球団ずつの4リーグだと、リーグ優勝の可能性は4分の1)





球団を増やすための課題や問題点

冒頭でも書いたとおり、球団を増やすことは簡単なことではなさそうです。

どんなところに課題や問題点があるでしょうか。

1つずつ見て行きましょう。


プロ野球球団を維持できる企業がいるかどうか

プロ野球球団を維持するには、まず相当な資金力をもった企業でないと運営できません。

すぐに消失されても困るので、それが永続的に維持できることも大事です。

そんな体力のある企業となると、候補はそんなに多くはありません。

また、事業内容も問われるかもしれません。

職業に貴賤がないとはいえ、プロ野球をもつ企業として、公序良俗のハードルはやや高めになりそうです。


プロ野球側が新規参入に消極的

ここがけっこうな問題かもしれません。

大きい組織ほど旧態依然としていて新規加入者に厳しいというのは、だいたいどの業界も同じかもしれません。

プロ野球の場合、既得権のスケールが大きすぎて、新規参入への抵抗力も莫大な大きさだと予想できます。

応援団にしても新規立ち上げには相当なエネルギーが必要です。

ましてそれが『新規球団』となると、その大変さが窺い知れます。


設備やインフラの整備が急務

球場、練習場、交通アクセスなど、プロ野球球団運営上、欠かせない設備を整備しないといけません。

すでにプロが使用できるレベルの球場は全国にいくつかあります。

しかし、グランド内はプロレベルでも、スタンドが追いついていない場合があります。

また、交通アクセスが脆弱だと興行面で支障をきたすので、インフラ整備も不可欠です。

宿泊施設、飲食店、観光拠点なども抱き合わせで大掛かりな都市計画が必要になる場合もありそうです。

もし当地の自治体が積極的でなければ、実現は難しそうです。





リーグの形態はどうなる

4球団増えることになれば、全部で16球団になります。


どのようにリーグを編成することになるでしょうか。

8球団ずつの2リーグ制が妥当な気がしますが、やり方は色々ありそうです。

案① 8球団ずつの2リーグ制

案② 4球団ずつの4リーグ制

案③ レベルの差を考慮し、当面は現行のセ・パ両リーグはそのまま据え置いて、新規4球団で新リーグを作る。
   新規球団のレベルがセ・パ両リーグに近づいた数年後、再編成する。

雰囲気としては案②を求める声が高そうです。


クライマックスシリーズについても、改正が見込めます。


一番ありそうなのは、セ・パ両リーグがそれぞれ4球団ずつ2地区に分かれて、それぞれの1位を決めるやり方です。

それぞれ地区の1位と2位がクライマックスファーストステージで地区1位を決めます。

そして地区代表の2チームがクライマックスファイナルステージで戦い、リーグの代表を決めます。

最後は日本シリーズでリーグの代表同士が戦います。


あるいは、セ・パ両リーグの地区代表4球団が出そろったところで、この4チームによるトーナメントなり総当たりなりで1位を決めても面白そうです。


どちらにしても、借金があるチームが日本一になるような事態はほとんど避けられる気がします。

現行のクライマックスシリーズ制度への批判も和らぎそうです。





新球団の本拠地はどこに

本拠地を置くとしたら、どこがいいのでしょうか。

できれば、既存の球団がいない場所が望ましいです。

北信越、四国、九州南部などの『プロ野球の空白地帯』が魅力的です。

アーバンな地域でいえば、京都、静岡、熊本には球団がないのでチャンスです。


既存の球場を活用するなら

・新潟(ハードオフエコスタジアム)

・松山(坊ちゃんスタジアム)

・倉敷(マスカットスタジアム)

なんて良さそうです。


すでに存在する独立リーグを取り込む手もあります。

0から新規球団を立ち上げるより、比較的スムーズに移行できそうです。

四国アイランドリーグplusやベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)はプロ野球選手を多数生んでいるし、沖縄県には地域密着型プロ野球球団として琉球ブルーオーシャンズが立ち上がりました。

ブルーオーシャンズは将来的なNPB加盟を希望しているそうです。


このように、すでに独立リーグやキャンプ地となっている場所であれば、球場がすでにあったり活躍している選手や指導者がいたりファンが熱心だったりで、野球チームを誕生させる土壌ができているので、障壁は少なそうです。


現実的かどうかわかりませんが、台湾とか韓国のチームを招聘するのも面白そうです。

遠征のたびに海外に行くのは難しいので、さすがに日本に本拠地を構えてもらうことにはなりそうです。





まとめ

現在のプロ野球は、セ・パ2リーグによる12球団制で運営されています。


これに4球団が加わると、多くの変化があります。

選手にとっては『所属先の可能性が増える』し、ファンにとっては『自分の街に野球チームができる』楽しみができます。

地域にとっては『経済の活性化』に繋がり、プロ野球全体にとっては『ファンの拡大』が見込めるうえ『クライマックスシリーズの是正』も期待できます。

応援団は『遠征先が増える』という楽しみがあります。

このように多くのメリットがありそうです。


ただ、球団を増やすためにはいろんな障壁がありそうです。

『既存の球団が消極的』『手を挙げる優良企業があるか』『球場の本拠地を何処にするのか』など課題もたくさんあります。


壮大な構想なので、なかなか簡単には行かないことは予想できます。

しかし、一日も早くエクスパンションが実現し、プロ野球球団が増えることを楽しみにしています。


以上、『プロ野球の球団数はエクスパンションで増えるのか?』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。