野球の不文律まとめ! 納得? 不可解?

おはようございます、元応援団員のハルカです。


どこの世界にも、不文律というものが存在します。

会社にも、近所づきあいにも、そして応援団にも。

もちろん、プロ野球界にも不文律が存在します。


その中には、納得のいくものもあれば、僕たちのような外の世界の人間にとって理解不能なものまで、様々あります。

今回は、そんな野球の不文律について、『これは納得』だの『こんなの不可解だ』だの言いながら、取り上げてみたいと思います。




不文律ができた背景は

不文律は、ルール上では問題なくても、『そういう行為はやめておこうね』という申し合わせみたいなものです。


プロ野球は、年間で140試合以上の長丁場で戦います。

お互い勝ったり負けたりするわけで、負けた相手を貶めるような行為をすれば、すなわちそれは立場が入れ替わったとき自分に返ってくる行為でもあります。

そうした戦いは何年も続くわけなので、対戦相手、審判、球場関係者とは良い関係を長く築いておく必要があります。

そういう意味で、ある程度の不文律とかお約束が必要なことはわかります。




攻撃側の不文律

攻撃側には、こんな不文律があります。

納得ですか? それとも不可解ですか?


大差で勝っているゲームでの相手への配慮

大差で勝っているチームには、こんな不文律があるようです。

・カウント3-0から打ってはいけない
・犠打をしてはいけない
・盗塁をしてはいけない
・セーフティーバントをしてはいけない

大差の定義は難しいですが、5、6点あればそれに当たるようです。

この『大差』における不文律には、個人的には全部反対です。


この不文律の理由として、『記録が乱造される恐れがある』なんて言われていますが、大差がついた試合でも安打、打点、本塁打などは記録に残ります。

どうして犠打や盗塁だけダメなのでしょうか。

それなら、『大差が着いた試合でホームランを打ってはいけない』、『ヒットを打ってはいけない』ということにもなる気がします。


それに『何点あればセーフティーリード』という境界も曖昧です。

相手に配慮して攻撃の手を緩めた挙げ句、逆転負けしてしまったら元も子もないです。


死者に鞭打つ行為なんていいますが、お互いの運動能力を破壊しあう格闘技ならともかく、野球であればどんな点差でも抵抗もできるし、それをさせないための追撃も必要だと思います。


相手に対して『つぎ何回戦っても勝てないや』と思わせるくらい徹底的に叩きのめすのも戦略の一つです。


僕は応援団員として数え切れないくらい試合を観て来て、『これは勝っただろう』『今日はもう完全に負けたな』と思った試合がひっくり返されてきたのを何度も目にしてきました。

大差であろうが、普通どおりの野球を最後までやり抜いて欲しいものです。


ホームランの所作

ホームランを打った選手には、こんな不文律があるようです。

・ホームランを打ったとき派手なガッツポーズをとってはいけない
・わざとゆっくりとダイヤモンドを回ってはいけない
・二者連続本塁打後の初球を打ちに行ってはならない

派手なパフォーマンスが相手を侮辱するという理屈はわからなくもないけど、自然に出てしまうものは流れとして受け入れていいと思います。

逆に言えば、投手が三振をとったり、野手がファインプレーをしたときも、自然とガッツポーズなり派手なパフォーマンスなりが出てしまうこともあります。

相手を侮辱するためにやったかどうかは、雰囲気でなんとなくわかります。

熱く勝負して、その結果自然に生まれた行為であれば、相手だってそれほど不快に思わないという気がします。


打席での所作

打席での所作として、こんな不文律があるようです。

・ノーヒットノーランや完全試合の阻止のためにセーフティーバントをしてはいけない
・投手タイトルがかかっている場面でセーフティーバントをしてはいけない
・捕手のサインを盗み見てはいけない(二塁走者が打者にサインを教えてもいけない)

どうも、バント系の戦術は不文律にひっかかりやすいみたいですね。

いまだにバントに対して『姑息』とか『スケールが小さい』とか思っている人も多い気がします。

だけど、バントという技法は高等技術で、誰にでもできることじゃないです。

それを武器にプロで活躍している選手もいます。

相手の投手記録のために、どうして自分たちの武器を棄てる行為を強要されるのか、理解に苦しむ不文律です。相手のそうした嫌らしい攻撃を退けてそれでも達成したノーヒットノーランとか投手記録にこそ価値がある気がします。


選手の導線

選手の動き方として、こんな不文律があるようです。

・走者がアウトになってダグアウトに戻るとき、マウンドを横切ってはいけない
・打席に入る時、球審や捕手の前を横切ってはいけない

これは、礼儀の問題も含まれていますね。

こうした不文律は良いと思います。


引退する相手投手への配慮

相手投手が引退試合の場合、こんな不文律があるようです。

・引退試合の投手には空振り三振をしなければいけない

わからなくもないけど、あまり賛成できないです。

やるなら試合の前後のセレモニーか、オープン戦とかでやればいいと思います。

かつて、引退する投手からホームランを打って、後で相手に謝罪していた選手がいました。

でも、その打者もホームランのタイトルがかかっていました。

残留が微妙な立場での大事な打席で三振を強要され、不服げな外国人打者を見たこともあります。


ファンからみれば、引退する選手が形式的に三振を取るシーンより、タイトルがかかったホームランバッターの打撃の方が観たいです。


メジャーに存在する不文律

メジャーには、こんな不文律があるようです。

・投手が公式ルールで禁止されている松脂などの滑り止め用物質を使用することを黙認しなければならない

なんだそれって感じですね。

失笑が漏れます。

だったらもういっそのこと公式ルールから外せないんでしょうか。


※2021年、投手の滑り止め物質に関して、メジャー全体で大問題になっています。

どうやらこの不文律は今後なくなってしまうのかもしれません。




守備側の不文律

守備側には、こんな不文律があります。

納得ですか? それとも不可解ですか?


投手の所作

投手の所作として、こんな不文律があるようです。

・投手は三振を奪ったときや、スリーアウトを取ったときに過度にガッツポーズをしてはいけない。

これはさっきの打者の逆バージョンですね。

相手を侮辱するものでなければ、別にいいと思います。

気持ちを外に出すタイプの投手であれば、自然な流れだと思います。


・相手投手が打席に立ったときは厳しい内角攻めをしてはいけない

これは、賛否が微妙なところです。

この不文律を侵した投手は、間違いなく自分に跳ね返ってきます。

(中継ぎ投手ならそうでもないか)


相手に打つ気がない場合は、この不文律に従うのが良さそうです。

でも、投手の中には打撃力がある選手もいます。

状況次第では甘いことを言っていられない場面もあると思うので、これに関する賛否としてはケースバイケースですね。


引退する相手打者への配慮

相手打者が引退試合の場合、こんな不文律があるようです。

・引退試合の相手打者に花を持たせなければいけない。

最後の打席にいい結果を残させてあげよう、あるいはそれをファンに見せてあげようという感じですね。

右打ちが得意な打者には一二塁間を空けておいたり、長距離打者には直球勝負で攻めたり、ファールフライをわざと捕らないなんてのも見かけます。

ただ、わざと三振するのと違って、あくまで打つかどうかは野手次第になります。

相手に配慮されたうえで打ち取られる打者もけっこういます。

現役最後の打席で打ち取られたからと言って、その選手の価値が落ちたとは誰も思っていないので、むしろ真剣勝負を観たいなという気持ちもあります。

フェアゾーンの凡フライをわざと捕らずムリヤリ安打にした野手もいましたが、あそこまで行くとちょっとやりすぎな気がします。




チーム全体の不文律

チーム全体として、こんな不文律があります。

納得ですか? それとも不可解ですか?


乱闘の対応

乱闘のとき、こんな不文律があるようです。

・乱闘のとき、野球道具を使用してはいけない

バット、ボール、ヘルメットはいずれも凶器になりますからね。

これでケガしたり、まして選手生命が失われたりしたらシャレになりませんし。

これはルールとして明文化してもよさそうです。


・乱闘のとき、ベンチやブルペンを出て、制止に向かわなければいけない

これも全面的に同意します。

みんなで止めましょう。

大事な選手が傷つくのも嫌だし、無駄な時間を使われるのもごめんだし、何より僕は暴力を観るのが大嫌いなので、乱闘は両チームの関係者全員ですぐに止めに入って欲しいです。


相手選手の介助

相手選手に対して、こんな不文律があるようです。

・ファウルボールを追った相手選手がダグアウトに落ちた時、相手を手助けしてはいけない。

スポーツマンシップとしては、ちょっと残念なところがあります。

反面、相手ベンチに助けられるシーンというのも、どちらの立場からしても観たくない気持ちもあります。

まあでも直接プレーを助けるわけじゃないので、それくらいは助けてあげて欲しいです。




試合そのものへの不文律

試合そのものに関して、こんな不文律があります。

納得ですか? それとも不可解ですか?


引退試合の設定

引退試合を設定するにあたり、こんな不文律があるようです。

・最終順位に関わる試合には引退試合を設定してはいけない

上記に挙げたことに関連しています。

引退試合では、どうしても引退する選手に花を持たせる格好になります。

それが勝敗にまで影響する場合、それは八百長とも言える行為になってしまいかねません。

あくまで順位や勝敗が優先であって、選手個人の都合は後回しにすべきです。


日本シリーズ中のふるまい

日本シリーズの最中には、こんな不文律があるようです。

・日本シリーズ中、他球団はおとなしくしておかなければいけない
(野球ファンの視線を日本シリーズに集中させるため)

日本シリーズはその年の頂点を決める試合ですからね。

雑音になるから、他のニュースをこの時期にぶち込むなという話ですね。

全面的に同意します。




不文律を破ることへのペナルティー

最も一般的なペナルティーは、次打席への故意死球あるいは内角スレスレの投球ですね。

この報復方法はわかりやすいけど、選手がケガするリスクが高まるので好きではありません。


両チームの雰囲気が険悪になることもあります。

僕からすれば、大差で負けているチームが盗塁されたからといって故意死球を打者にお見舞いするなんて、逆ギレあるいは腹いせしているというふうにしか受け取れません。

平和的な考えでまるく収められないのでしょうか。

こういう無駄な応酬がなくなってくれないかなあと思っています。




まとめ

相手への配慮を含むものであれば、不文律は必要だと思います。

しかし、攻撃の手を緩めることが相手への配慮と言うと、なんか違う気もします。

むしろ手を緩められる方が屈辱的な気もします。


双方が同調するなら問題ないです。

『大差がついたから、お互い主力を下げて、そのまま試合を静かに終わらせよう』ならまだわかります。


でも、ファンの気持ちは少し違うと思います。


ファンは、ワンサイドゲームになったとしても、両チームともあくまで最後まで貪欲に戦って欲しいです。

ワンサイドゲームに勝ちパターンの投手をつぎ込めとかそういう意味ではないですよ。

若手に切り替えるとかでもいいけど、その若手は自分の武器を最大にアピールして全力プレーをしてもらいたいという意味です。


悪しき不文律が少しずつ改善されて、選手もファンも納得の行くプレーが見られるようになってくれればいいなと願っています。


以上、『野球の不文律まとめ! 納得? 不可解?』でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。